眺めるだけで、使うだけで気分が高まる。そんなこだわりの食器があると、毎日の食事もちょっとだけ特別な時間になりますよね。ポルトガルには、食卓を華やかに、そして楽しく彩ってくれる食器がたくさん。
この記事では、ポルトガル食器を語るうえで外せない5つのブランドと、現地ポルトガルの食卓を再現したいあなたにおすすめの食器アイテムをご紹介します!
要チェック!ポルトガル食器ブランド
まずはポルトガル発の食器ブランドを5つご紹介します。日本で買えるブランドもあるので、気になった方はぜひ公式サイトなどで、バリエーション豊かなコレクションをチェックしてみてくださいね。
コスタ・ノヴァ(COSTA NOVA)
デイリーユースにももってこい、日本にいながらでも手に入れやすいポルトガル食器ブランドの代表格が「コスタ・ノヴァ」です。雑貨店などで売られていたり、レストランやカフェで使われていたりもするので、あなたも気づかないうちに出会ったことがあるかもしれません。
GRESTEL社の陶器ブランド「コスタ・ノヴァ」の名前の由来は、ポルトから南に車でおよそ1時間のところにある、海岸線沿いの町コスタ・ノヴァから来ています。食器ブランド名と並ぶくらいこの町を有名にしているのが、カラフルなしましま模様の三角屋根の家並み。ポルトガルのかわいいスポットで写真映えも抜群!と評判が集まり、今では多くの観光客が訪れる人気の町です。
「コスタ・ノヴァ」ブランドにはさまざまなコレクションがありますが、一番目にする機会が多いのは、「NOVA」というカジュアルラインでしょう。しましま模様の家と大西洋の波のロゴマークがポイントです。
海沿いのゆったりとリラックスした生活が思い浮かぶような爽やかな色合い、そしてシンプルながらぽってりとした温かみのあるフォルムと安定感のあるデザインは、日常使いにもぴったり。パスタやカレーの盛り付けにもってこいのお皿から、取り分け用の小皿、マグカップなどバラエティも豊富です。
そのほかにも、ポルトガルの町や自然をイメージしたコレクションが多数展開されています。いずれも、ポルトガル陶器の伝統を大切にしつつも、最新の技術を取り入れているのが特徴。近年ではサステナビリティにも重点を置いており、リサイクル素材を利用したコレクションなど、環境に優しい商品の開発も進めています。
コレクション一例 ※公式HPより
FRISCO…すっきりとしたフォルムとオーガニックな色味が特徴のシリーズ
PEARL…エッジにパールをあしらったような繊細なデコレーションが美しいシリーズ
IMPRESSIONS…アンティークなリムのデザインシリーズ
BARROCO…17~18世紀のヨーロッパ陶器にインスパイアされて生まれたシリーズ
MADEIRA…釉薬によって生まれる、色のグラデーションと表面の質感が特徴的なシリーズ
電子レンジや食器洗浄機はもちろん、オーブンの使用も可能なストーンウェア製なので、手入れが簡単で丈夫な食器をお探しの方にもおすすめです。
ボルダロ・ピニェイロ(BORDALLO PINHEIRO)
ポルトガルならではの食器をゲットしたい!というあなたにおすすめなのが、「ボルダロ・ピニェイロ」という老舗の陶器ブランドです。カエルのロゴマークがついたこのブランドは、1884年にラファエロ・ボルダロ・ピニェイロという人物とその兄弟によって創設されました。
ラファエロ・ボルダロ・ピニェイロは、19世紀のポルトガル国内における有名人でもありました。というのも、陶器ブランドの創設のほかに、造形芸術作家、社会風刺画家など多彩な人物として広く知られており、当時のポルトガルの文化・政治に大きな影響を与えた人物でもあるのです。
さらにはポルトガル初の漫画家としても知られ、主人公の「ゼ・ポヴィーニョ」を描いた貧しい農夫の物語は当時のポルトガル庶民の心を掴みました。ゼ・ポヴィーニョは、ポルトガルの一国民を象徴するキャラクターとして今でも愛されています。
そんなラファエロ・ボルダロ・ピニェイロが生み出した陶器作品は、そのほかの彼の芸術作品からの勢いそのままに、大胆でユニークなデザインを基調としています。
有名な「キャベツ」シリーズや今にも動き出しそうな動物デザインなど、野菜やフルーツ、生き物、植物などをモチーフにしたダイナミックな作品は、置くだけで食卓の主役に躍り出る、独特の存在感を放ちます。食器としてはもちろん、小物入れなど、インテリアにももってこいですよ。
ボルダロ・ピニェイロはリスボンから北に100km、カルダス・ダ・ライーニャという陶器の原料用の粘土が豊富に採れる場所に最初の工場が設けられ、現在は国内に数か所工場が展開されています。ラファエル・ボルダロ・ピニェイロについてもっとよく知りたい方は、リスボンにあるミュージアム(公式サイト)も訪れてみてくださいね。
ポルトガル公式サイト(英語)はこちら
ヴィスタ・アレグレ(VISTA ALEGRE)
1824年創業の「ヴィスタ・アレグレ」は、英国王室もご用達の、歴史ある高級磁器メーカーです。東洋の磁器に魅了されたある一人のポルトガル人貿易商により創設されました。
「Almaシリーズ」は、リスボン・ポルト・マドリード・リオデジャネイロそれぞれの都市のシンボルが描かれており、旅の思い出にもぴったり。どこか日本の焼き物を思い起こさせるデザインも多く、東洋の影響を感じさせるブランドです。
陶磁器のほか、ワイングラスなどテーブルウェア関連も広く手掛けており、近年はホテルウェアなどにも力をいれているようです。Ílhavo という町にある工場には、美術館やホテルも併設されており、泊りがけでゆっくりと楽しめる施設でもあります。
ポルトガル公式サイト(英語)はこちら
クチポール(Cutipol)
ちょっと特別感のあるカトラリーブランドの「クチポール」。ポルトガル北部の町ブラガの近くにある、タイパスという小さな町の、小さな工場から始まったブランドです。
ナイフやフォークなどのカトラリーは1本あたり2000円~4000円と、ポルトガル食器ブランドの中ではラグジュアリーなアイテム。しかし、熟練の職人が1本1本手作りで仕上げたカトラリーは国内外で広く愛されています。大切な人へのとっておきのギフトや、長く良いものを使いたい、という人にもぴったりです。
クチポールの定番シリーズ「GOA」は日本でも購入できるお店が増えてきているので、見たことのあることも多いのではないでしょうか。ステンレス部分はシルバーとゴールドから選べ、また柄の部分もカラフルなバリエーション展開で、選ぶ楽しさも味わえますね。
クチポールのカトラリーの魅力は、何といってもシンプルモダンかつエレガントなデザインと、バリエーション豊富なカラー展開。繊細な柄、流れるような丸みを帯びたフォルム、マットな質感は、いつもの食事シーンをちょっとに上品に演出してくれそうですね。洋風の食卓にはもちろん、和な食卓にもしっくりと馴染むので、活躍シーンは幅広いでしょう。
日本公式サイトはこちら
ポルトガル公式サイト(英語)はこちら
ポルセル(PORCEL)
最後にご紹介するのが、1987年創業の「ポルセル」。ポルトガル中部地方のオリベイラ・ド・バイロ(Oliveira do Bairro)にあるポルセル社の食器で、ポルトガルではメジャーなブランドのひとつです。上品なゴールドの縁取り、繊細で美しいペイントなど、エレガントなデザインの陶器のコレクションを数多く生み出しています。
日本ではまだなじみの薄いブランドですが、メイド・イン・ポルトガルの製品として積極的に国際イベントや見本市にも進出中。これから私たちも目にすることが増えるかもしれません。
ポルトガル公式サイト(英語)はこちら
ポルトガルの食卓を完全再現!本格的な食器グッズ
これがあれば、いつもの食卓が一気にポルトガルの食堂風に!ここからは、ポルトガルのカジュアルな食事シーンも完全再現OKなグッズをご紹介します。
カタプラーナ鍋
ポルトガル南部でよく見られる料理「カタプラーナ」。魚介類と野菜の旨味が凝縮された、ブイヤベースのようなお料理です。このカタプラーナの調理に欠かせないのが、独特の造りをしたお鍋、その名も「カタプラーナ鍋」です。二枚貝のような形をしたお鍋に具材を入れて、無水で調理することで素材の旨味がギュっと詰まったメニューに仕上がります。
なかなか日本では手に入れるのは難しいアイテム。日本でもカタプラーナを本格再現したい!という方には要チェックのアイテムですね。
テラコッタ(赤土製陶器)
ポルトガルのレストランやカフェバーなどでもよく登場するのがこの赤土から作られた陶器の食器類です。ポテっとした温かい風合いと、手書きされた素朴なイラストはポルトガル料理の飾らない美味しさとの相性抜群。ワイン用のピッチャーやマグカップなども揃えば、気分はもうポルトガルの地元客でにぎわう酒場です。
割れたり欠けたりしやすいので、持ち運びの際には要注意です。
アルミやステンレスのプレート
給食のときに使ったような、シンプルなアルミやステンレス素材のプレートもポルトガルの気楽な食堂で多く登場するアイテム。炭火焼きしたイワシを何匹も積み上げたり、ステーキ、サラダ、お米のワンプレートとして登場したり、さまざまな用途で使われています。
ポルトガル料理のシンプルな美味しさをよりいっそう際立たせてくれる、隠れた優秀アイテムです。
まとめ
日本でも注目度上昇中のポルトガル食器のご紹介でした。中には日本にいながら購入できるアイテムもあります。ぜひ気になるブランド、アイテムを見つけて、あなたの毎日の食卓にポルトガルのエッセンスを加えて、ちょっとだけ特別な空間にしてみてくださいね。
この記事へのコメントはありません。