ポルトガルにある17の世界遺産すべて紹介!次の世界遺産候補も

ポルトガルでは、16の文化遺産と1の自然遺産がユネスコの世界遺産に登録されています(2020年7月時点)。

古代ローマ帝国時代からイスラム統治時代、そしてその後のポルトガル王国の建国から大航海時代まで、多くの歴史の舞台となったポルトガルの地。その面影を今に伝える、観光客にも人気の世界遺産スポットをこの記事ではすべてご紹介していきます!

ポルトガルの世界遺産

2019年に2箇所の世界遺産が登録されたことで、2020年7月時点のポルトガル国内の世界遺産は全部で17あります。今回は、ポルトガルの17の世界遺産を一挙紹介!メジャーなスポットから、世界遺産に登録されたことで注目を浴び始めたスポットまで、さまざまな特徴を持つ世界遺産がポルトガルの国に点在しています。

観光では世界遺産も押さえたいポイント!ぜひこの一覧を見て、あなたの行ってみたい世界遺産リストをつくってみてくださいね。(登録順の紹介・カッコ内は登録年)

リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔(1983年) 

ポルトガルの首都リスボンのベレン地区に、ポルトガルが栄華を極めた15~17世紀の大航海時代の威厳を今に伝える世界遺産があります。航路開拓により得た巨額の富を贅沢に注いだ豪華絢爛なジェロニモス修道院、テージョ川を行き交う船の監視塔としての役割を担ったベレンの塔の2つの建造物が登録されています。

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バターリャ修道院(1983年)

ポルトガル中部レイリア地方の町、ポルトガル語で「戦い」を意味するバターリャ。この町にあるバターリャ修道院は「勝利の聖母マリア修道院」の別称をもち、14世紀のスペインからのポルトガル独立のシンボルとなっている建造物です。およそ1世紀半もの期間をかけて造られました。

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トマールのキリスト教修道院(1983年)

ポルトガル中部にある国内最大規模のキリスト教修道院です。12世紀にポルトガルのテンプル騎士団により建設され、そののちにキリスト騎士団の本拠地となりました。15世紀以降の大航海時代の勢いとともに修道院は増改築を繰り返した結果、さまざまな建築様式がミックスされた建造物になっています。

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アソーレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの町の中心地区(1983年)

ポルトガル本土からおよそ1500km離れたアゾレス諸島で、3番目に大きなテルセイラ島。15世紀にポルトガル人によるアゾレス諸島への入植が始まり、最初に建設された町がこの島にあるアングラ・ド・エロイズモです。大航海時代を支える重要な中継地点として繁栄を誇りました。

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エヴォラ歴史地区(1986年)

ポルトガルのアレンテージョ地方にある城壁に囲まれた町、エヴォラはその城壁内の歴史地区一帯が世界遺産に登録されています。2~3世紀に建てられたローマ帝国時代のディアナ神殿、町と同化している水道橋、そして13世紀に完成した大聖堂など城壁内にはおよそ2000年分のイベリア半島の歴史が集まることからエヴォラは「博物館都市」とも称されます。

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アルコバッサ修道院(1989年)

ポルトガルのレイリア地方にあるアルコバッサ修道院は、12世紀から建設が始まった国内最古のゴシック様式の修道院です。ポルトガル初代国王が支持したシトー派の精神に基づいた質素な造りが特徴。ポルトガルの悲恋物語の主役、ペドロ1世とイネスのお墓があります。

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シントラの文化的景観(1995年)

ポルトガル王室の避暑地だったシントラ宮殿、さまざまな建築様式が混ざり合った色鮮やかでどこかファンシーな雰囲気漂うペーナ宮殿、7~8世紀にかけてムーア人が築いた城壁など、多くのお城や遺跡が残るシントラの町一帯が世界遺産に認定されています。緑あふれる山の中にユニークな見どころが満載の世界遺産です。

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ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院(1996年)

リスボンに次ぐポルトガル第2の都市、ポルト。サン・ベント駅、クレリゴスの塔、ポルト大聖堂などポルト観光には欠かせない必見スポットが広く世界遺産として登録されています。2016年にはルイス1世橋と対岸の町にあるセラ・ド・ピラール修道院が登録名に追加されました。

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コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代の岩絵遺跡群(1998年、2010年に拡張)

ドウロ川の上流にあるポルトガルのコア渓谷とスペインのシエガ・ヴェルデの2国にまたがる世界遺産です。1万年から2万年前の古代の人びとが岩肌に描いた馬やヤギ、人などの線刻画が現在も岩肌に残っています。はるか昔の人びとが描いた線画を見ると、ここ数千年の歴史も最近に思えてしまうような不思議な感覚になりますよ。

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マデイラ島の照葉樹林(1999年)

2020年7月の段階で、ポルトガル国内で唯一の自然遺産として認定されているのがマデイラ諸島、マデイラ島の照葉樹林です。本土では既に消滅してしまった氷河期以前の原生林を今に残し、さらに多くの固有種が生息する地として太古の姿を今に残す貴重な場所となっています。

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アルト・ドウロ・ワイン生産地域(2001年)

スペインを源流に、ポルトの町を経て大西洋に注ぐドウロ川。その上流部分の川沿いの斜面にぶどうの段々畑が広がる一帯が世界遺産に認定されています。この地で生産されたポートワインがドウロ川を下りポルトの対岸の町、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアに運ばれ、そこから国内外に出荷されます。

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ギマランイス歴史地区(2001年)

ポルトガルの初代国王、アフォンソ・エンリケスが生まれた町ギマランイス。歴史地区の広場の壁に記された「ポルトガル、ここに誕生す」の言葉が示す通り、ポルトガル発祥の地とされています。ギマランイス城を始めとする歴史地区に残る数々の建造物に、ポルトガル建国時の面影を感じられる一帯です。

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ピコ島のブドウ畑文化の景観(2004年)

アゾレス諸島で2番目に大きく、ポルトガル最高峰のピコ山があるピコ島。15世紀にポルトガル人が上陸したのちに、島でのワイン生産が始まりました。溶岩の割れ目に苗木を植えてぶどうを栽培し、手摘みで収穫、足踏みでぶどうの圧搾を行うなど、昔ながらのスタイルが今も続いています。

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国境防衛都市エルヴァスとその要塞群(2012年)

スペインとの国境近くにある町エルヴァスは、歴史上幾度もスペインと土地を争った戦いの舞台でした。その歴史を物語る特徴的な星形の要塞と、その要塞に囲まれた町全体が世界遺産に登録されています。要塞内での水の確保に重要な役割を果たしたアモレイラ水道橋や要塞の頂にあるエルヴァス城が現存します。

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コインブラ大学・アルタとソフィア(2013年)

12~13世紀までポルトガルの首都だったコインブラ。ヨーロッパでもっとも伝統ある大学のひとつ、コインブラ大学はこの町の丘の上にあります。大学が所在するアルタ地区、多くの学寮が設けられた下町のソフィア地区を含めたエリア全体が世界遺産に登録されています。

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マフラの王家の建物・宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園(タパダ)(2019年)

リスボン近郊の町、マフラにある18世紀に建てられた歴史的な建造物群がまとめて世界遺産に登録されています。ポルトガル国王ジョアン5世が建造を命じたポルトガル最大級のバロック様式のマフラ国立宮殿は、こぢんまりとした町のなかに忽然と現れる目を見張る壮大さ。歴史的書物が多数所蔵される図書館も圧巻です。

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ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域(2019年)

宗教の町ブラガの丘の上にそびえるボン・ジェズス教会を中心とした一帯が世界遺産に登録されています。「十字架の道」と呼ばれるおよそ600段のジグザグ階段の先にあるのは、どっしりと構える美しいボン・ジェズス教会。教会の周りにある庭園や洞窟、礼拝堂などが、一帯をより神聖な雰囲気で満たします。

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ポルトガル世界遺産マップ

次はどこ?ポルトガルの世界遺産候補

2020年7月現在、ポルトガル国内の10箇所が世界遺産の暫定リストに掲載されています。これから注目を集めるスポットが中に含まれているかもしれません!要チェックですね。なお、日本語訳は仮訳なので参考までにご覧下さい。

・ギマランイス歴史地区(Courosエリアまで拡張)
Historic Centre of Guimarães and Couros Zone (extension)
・リスボン歴史地区 Historical Lisbon, Global City
・メルトラ Mértola
・文化的景観のデエサ(牧草地・放牧場) Montado, Cultural Landscape
・マゼランの辿った航路 Route of Magellan. First around the World
・ヴィラ・ヴィソーザ Vila Viçosa, Renaissance ducal town
・セルヴァジェンス諸島Selvagens Islands
・国境(ライア)の要塞群 Bulwarked Fortifications of the “Raia” (Border)
・アグアス・リブレス水道橋 Águas Livres Aqueduct
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
Routes of Santiago de Compostela: Routes in Portugal

まとめ

ポルトガルの世界遺産を一挙ご紹介しました。行ったことのあるところ、知っているところはありましたか?さまざまな歴史や特色ある文化を作り出してきたストーリーを今に伝えてくれる世界遺産。ポルトガルを訪れた際はぜひその世界的価値も目にしたいですね。これからもポルトガルの世界遺産は増えるかもしれません。少し先を見越して、ブームの波が訪れる前に先取りしてみるのもよいですね!

【参考HP】
UNESO(ユネスコ本部)公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

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