まるで映画の世界!世界遺産コインブラ大学・アルタとソフィア

ポルトガルの中央に位置するコインブラ。12~13世紀には首都として繁栄し、ヨーロッパでもっとも伝統ある大学のひとつ、コインブラ大学とともに発展してきました。2013年に、コインブラ大学、(大学のある山の手)アルタ地区と(大学の下町)ソフィア地区が世界遺産に登録されました。この記事では、世界遺産コインブラ大学の魅力をご紹介します。

概要と歴史

コインブラに初めて大学がおかれたのは、なんと730年前の1290年のことです。当時の国王、デニス1世により創設されました。

コインブラに大学が創設される数年前から、リスボンにてポルトガル初の大学を創ろうという動きがありました。この努力は実を結び、当時のローマ教皇の承認を受けイベリア半島で初めてとなる、大学機関が1290年に設立されました。この時に開設されたのが、人文学部、法学部、教会法学部、医学部でした。

しかし、リスボンでは教会と政治権力、市民と学生の対立などがあり、大学教育への環境があまり良くなかったことから、数年後にはコインブラに移されることになります。大学が設立される35年前まで首都であったコインブラは、すでに修道院などでの教育体制が発達していたことから、大学を設置する場所として適していると考えられたのです。

その後3世紀にわたり、コインブラとリスボンの間での移転が数回繰り返されましたが、1537年にコインブラに戻されたことを最後にコインブラで発展していくこととなります。

コインブラ大学は今もポルトガルの名門で、たくさんの学生が学んでいます。現在は、8つの学部(文学・人文学、法律、医学、薬学、科学技術、経済学、心理学・教育学、スポーツ科学・物理教育)で成り立っています。
世界遺産の大学で学んでいるというのは、どんな気持ちなんでしょう。

基本情報

コインブラ大学は、新しい部分と古い部分にわかれていますが、観光客としての見どころは旧大学のほうです。チケット売り場で、ジョアニナ図書館や帽子の間などの含まれている共通券を購入しましょう。または事前にオンラインで購入しておくのも安心で良いかと思います。

アクセス難易度

アクセス難易度:★☆☆
★☆☆…簡単!ポルトガル観光定番スポット
★★☆…やや難。大都市からちょっと足を伸ばして
★★★…奥地。電車やバスを乗り継いで

コインブラはポルトガルの第3都市なので、アクセスも簡単です。各主要都市から、電車やバスが出ています。

ただし、リスボンやポルトから特急電車で向かう場合は、コインブラ-B駅に到着 します。このコインブラ-B駅は少し町の中心から離れていますので、ローカル線に乗り換えてコインブラ駅へ向かいましょう。もし、大きな荷物を預ける必要がある場合は、コインブラ-B駅にコインロッカーがあります。

リスボンからのアクセス

鉄道:リスボンのサンタ・アポローニャ(Santa Apolónia)駅からコインブラ-B駅(Coimbra-B)駅までおよそ1時間40分(高速鉄道AP利用)

バス:リスボンのセッテ・リオス(Sete Rios)ターミナルからコインブラのバスターミナルまでおよそ2時間25分(Rede Expressos社の高速バス利用・1日10~14便)

観光の所要時間

コインブラの観光の所要時間:1~2日間

コインブラは重要文化財の宝庫といっても過言ではありません。コインブラ大学以外にも見どころがあるので、できれば1泊はしたいところです。

コインブラ大学へのアクセス方法

コインブラ駅から3分ほどのところにあるポルタジェン広場(Largo da Portagem)から市バスに乗り、コインブラ大学へ。徒歩でも行けますが坂道がきついので、あまり疲れたくないよっという方は、市バスに乗ると楽でしょう。

コインブラ大学の見どころ

市バスを降りると、重厚な鉄の門が現れます。
ここをくぐると中庭です。大学のシンボルでもある、時計塔が目を引きます。
右側の階段を上るとラテン回廊がありますが、ここでは昔、ラテン語を話すことが義務付けられていたとか。

礼拝堂(Capela de São Miguel)

小さいながらも美しい、礼拝堂は、もとは王室のプライベートチャペルでした。その当時の構造が今でも残されています。ここで注目したいのが、礼拝堂のオルガンです。バロックオルガンの一種で、イベリア式と呼ばれています。ポルトガル・スペインを中心に、以前、支配していた地域にしか残されていない、特殊なオルガンです。コインブラ市内で現在修理が完了し、日曜のミサなどで使用されているイベリアオルガンは4台ありますが、大学のものは2番目に古いもので、一番状態が良いといわれます。

ジョアニナ図書(Biblioteca Joanina)

コインブラ大学で見逃せないのが、1728年に建設された豪華な金泥(きんでい)細工が美しいジョアニナ図書館です。20世紀前半まで現役の大学の図書館として使われていました。16世紀から18世紀の書籍が約6万冊も収蔵されているというから驚きです。現在は総合図書館の貴重書庫として、利用者が自由に入ってくることはありませんが、現在も研究の場として機能しています。

2017年公開のディズニー映画『美女と野獣』で登場する野獣の屋敷の書斎が、ジョアニナ図書館にそっくり!と話題になりさらに注目されました。
コインブラ大学の公式サイトに比較写真が掲載されています。

https://noticias.uc.pt/universo-uc/biblioteca-joanina-pode-ser-vista-no-novo-filme-a-bela-e-o-monstro/

残念ながら、ジョアニナ図書館は写真撮影禁止なので、ご注意ください。

コインブラ大学附属植物園(Jardim Botânico da Universidade de Coimbra)

1772年にポンバル侯爵によって自然博物館が設立されましたが、その一部として植物園が作られ、世界的にも珍しい植物が集められるようになりました。植えられて保存されていましたが、3年前に来襲したハリケーンでかなりの倒木があり、折れた木の中にはヨーロッパでここにしかない樹木もあったそうです。ガラス張りの大温室は入館有料ですが、その他のスペースは入場無料で、市民の憩いの場ともなっています。園内の一部を、市営バスが走っていますが、電気自動車で、天井が開けられるようになっている車両が使われていますので、天気のいい日はぜひおすすめです。

旧カテドラル(Sé Velha de Coimbra)

コインブラ大学を満喫したら、坂を下り旧カテドラルを訪れましょう。
旧カテドラルはコインブラ市内で特に古い教会の一つで、11世紀から13世紀にかけて建設されました。とても興味深いのが、北側の外壁に、アラビア語で、異教徒の我々も建築に参加した、と彫られています。当時、イスラム教徒は市内でともに暮らす隣人でありました。彼らはキリスト教徒とともにこの大事業に参加し、それを誇りに思っていたのでしょう。宗教や肌の色の違いで分断されてきた歴史や今の時代を考えると、大切な何かを教えてくれる、深いメッセージではないでしょうか。

サンタクルス修道院(Igreja de Santa Cruz)

サンタクルス修道院も、1131年建立ととても古く、ポルトガル王国初期において最も重要な修道院でした。アズレージョで飾られた内装や、立派な礼拝堂があります。この教会には、初代国王アフォンソ・エンリケスとその息子で第二代国王サンショ一世が葬られています。
時間があれば、有料ですが広い回廊を見学してみるのも楽しいです。また、修道院の一部を改築して利用しているカフェでは、名物「クルーズィオ」という、サンタ・クルス修道士にちなんだ、アーモンドを使ったタルトがあります。お持ち帰りも可能ですので、お試しください。

おまけ・コインブラの名物料理

コインブラでは、中部の名物と言われる子豚の丸焼きを頂きましょう。
生後約1か月半の子豚を丸焼きにした贅沢な食べ物で、ポルトガル人はお祝い事やお祭りの時くらいしか食べませんが、とても有名な食べ物です。 ニンニク、塩、胡椒、パプリカ、ラード等で作ったペーストを詰め、じっくりと丸焼きにします。外の皮はパリパリ、中のお肉はふんわり柔らかな食感です。本場はコインブラから電車で25分ほど先にあるメアリャーダという街ですが、そこまで行くのはちょっと難しいという方は、ぜひコインブラで楽しみましょう。

まとめ

コインブラには、今回ご紹介した世界遺産の文化財以外にも見どころがまだまだあります。コインブラにはモンデーゴ川が流れていますが、モンテーゴ川の対岸にも新サンタ・クララ修道院、旧サンタ・クララ修道院、涙の館などがあります。また、コインブラは学生によるファドも有名です。

コインブラ大学だけの観光の場合は半日でも大丈夫ですが、できれば1~2日かけてじっくり回られることをお勧めします。

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