ハリポタファンも必見!“世界一美しい本屋”のレロ書店

世界遺産の町ポルトには、行列の絶えない人気の本屋「レロ書店」があります。レロ書店が多くの人々を引き付ける大きな理由は、本屋らしからぬ豪華絢爛な内装。そして、その雰囲気がハリーポッターの小説の中で登場する本屋のイメージのもとになっているのでは…?とファンの間で話題になり、多くのハリポタファンが訪れるスポットにもなりました。

重厚感漂う店内に並ぶ書籍や真っ赤な大階段が、なんだか今にも動き出しそう…そんな魔法の世界に入り込んだような感覚を味わえるレロ書店をご紹介します。

レロ書店とは?

今やポルト観光に欠かせないスポットのひとつとなったレロ書店。ここ数年の間に大きな注目を集め、1日何千人もの観光客が訪れる本屋となりましたが、実は100年以上もの歴史がある老舗なのです。

カルメリタス通りにレロ書店が建設されたのは1906年のことでした。当初は「シャルドロン書店(Livraria Chardron)」という店名で(この名は現在も書店入り口の正面に残っています)、現在の「レロ書店(Livraria Lello)」となったのは1919年のこと。正式には「Livraria Lello e Irmão(レロと兄弟の書店の意)」という店名で、ジョゼ・レロとアントニオ・レロという兄弟のお店でした。

レロ書店が世界的に注目を集めるきっかけとなった出来事はふたつあります。ひとつが、イギリスの新聞ガーディアン紙が発表した「世界で最も美しい書店10選」に選ばれたことです。そのほかにも、旅行ガイドブック「ロンリープラネット」やアメリカのタイムズ紙などでもその美しさがたびたび話題になったことで、ポルトの人々の生活の一部であった町の書店に突然スポットが当たり始めました。

そしてもうひとつのきっかけが、レロ書店が人気ファンタジー小説、ハリーポッターの世界観に影響を与えたと言われること。ハリーポッターの作者J.K.ローリングは1991~1993年まで、ポルトに住んで英語教師をしていました。そして、ポルト滞在時にシリーズ1作目『ハリーポッターと賢者の石』の執筆を行ったと言われています。

世界的なハリーポッターブームと共に、レロ書店が、ハリーが魔法学校で使用する教科書を買う「フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店」にそっくりだと話題に。レロ書店は「ハリポタファンの聖地」にもなったのです。

凝った外観と内装ではあるものの、あくまで地元の人々のための本屋だったレロ書店。しかし、注目度がみるみる高まるにつれて、レロ書店そのものを見に訪れる観光客が激増します。一方で、本を買うことを目的にレロ書店を訪れる人は激減。一時は訪問者のうち、本の購入者は10%にも満たなかったそうです。

書店としての存続が危ぶまれることとなり、2015年からはバウチャー・システムが導入され、レロ書店への入場が有料となりました。最初は3€から始まり、年を追うごとに値上がりをして2021年現在は5€に。店内で本を購入し、バウチャー・チケットを見せると本の料金から5€が割り引かれる仕組みです。この仕組みにより、本の購入者は50%にまで上昇したそう。いまやポルトを代表する観光スポットとして日々行列ができる本屋になるとは、レロ兄弟も思ってもいなかったことでしょう。

レロ書店への行き方とバウチャー・チケット

レロ書店は、ポルトのサン・ベント駅から徒歩でおよそ10分、クレリゴスの塔を左手に、カルメリタス通りを登った先にあります。メルヘンな淡い色調で、ファンタジックな雰囲気のファザードが目印。奥行きのある本屋で入口自体は小さいものの、たいてい店先には列や人だかりができているのですぐに見つかるでしょう。

レロ書店への入店に必要なバウチャー・チケットは、レロ書店から歩いて数秒の「アルマゼンス・ド・カステロ(Armazéns do Castelo)」で購入するシステムでした。しかし2021年5月現在、「アルマゼンス・ド・カステロ」は閉店中につき、レロ書店への入店に必要なバウチャー・チケットはレロ書店への入店時に購入、またはこのあとご紹介するオンライン購入のいずれかとなっています。
(※上記はCovid-19の影響による一時的なものと思われます。今後システムは再度変わる可能性があります。)

ネット販売(日付指定制)
レロ書店の公式HPでは、バウチャー・チケットをオンライン購入することができます。サイト上で支払いを済ませ、プリントアウトしたバウチャー・チケットを用意しておくことで、当日スムーズに入店できます。注意点は、オンライン購入のチケットは日付が指定されるということ。訪問日が確定しているのであれば、おすすめの方法です。
チケット購入はこちらから

レロ書店の見どころ

レロ書店は地上2階・地下1階の建物。吹き抜けでつながる1階と2階には天井近くまで本がぎっしりと敷き詰められています。また、1階と2階の突き当りの小部屋と地下のスペースでは、期間ごとにさまざまな展示や企画が催されています。

店内に入ってまず目の前に飛び込んでくるのが、曲線が美しい赤色の螺旋階段。「天国への階段」という名前をもつこの階段は、レロ書店のイメージに欠かせない存在です。

ちなみに、2021年1月のレロ書店115周年記念式典時には、真っ赤だった階段のステップが黄色と灰色にペイントされました。レロ書店公式YouTubeチャンネルでは式典の様子が配信されています。ぜひ、いつもとはちょっと違った雰囲気のレロ書店も見てみてくださいね。(動画は12分以降から始まります)

階段の裏側や天井にあしらわれた細工も目を見張るものがあります。そして2階の天井部分には長さ8メートルの巨大なステンドグラスが。レロ書店の「L」の文字が入ったモノグラムの中には、ラテン語で「Decus in Labore」(Honor in Work)というレロ書店のモットーが記されています。

また、このステンドグラスの一部には、修理士が遊び心で(?)描いたスマイルマークが隠されているとか。ぜひ探してみてくださいね。

店内で販売している本は、観光ガイドブック、児童向けの絵本、料理本などジャンルもさまざまです。もちろんハリーポッターのペーパーブックも売られています。バウチャー・チケットは店内の本にのみ有効、レロ書店のグッズや雑貨などには使えません。ぜひ旅の思い出の1冊を探してみてくださいね。

おすすめは、レロ書店オリジナルのポケットサイズのシリーズ本です。星の王子様、不思議の国のアリス、ピーターパンなどわたしたちにもおなじみのストーリーが、かわいらしいカバーに包まれて売られています。英語、ポルトガル語、フランス語など複数の言語から選べて、読んでも楽しい、飾ってもおしゃれなアイテムです。

レロ書店は115周年記念行事の際、書店に隣接する建物の新規改装プロジェクトにポルトガルを代表する建築家アルヴァロ・シザを迎えて取り掛かると発表をしました。伝統あるレロ書店が今後どのように進化を続けるのか、見逃せませんね。

基本情報

住所:Rua das Carmelitas, 144  4050-161 Porto
営業時間:10:30~19:00
休業日: 月曜日
入場料5€
HP:レロ書店

まとめ

実は、ハリーポッターの作者はTwitterの公式アカウントで作品とレロ書店の関連性について、「一度も訪れたことがなく、存在も知らなかった」と発言しています。それでもなお、現実離れした雰囲気の本屋に、ハリーポッターの魔法の世界観を重ね合わせて楽しむ人が後を絶えません。

ハリーポッターとレロ書店の間に本当に何も関連はないのか、あるいは、実は何かしらの影響を受けているのか…そんな思いを巡らせながら、独特の空間と特別な1冊を選ぶのも、忘れられないひとときになるのではないでしょうか。
※ポルトガルワインについてもっと詳しく!→「世界遺産の町ポルトは見どころ満載!歴史地区の必見スポット一挙紹介

※店舗の情報は2021年5月の情報です。今後変わる可能性がありますので、最新の情報は公式HPなどでご確認ください。

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