ポルトガルにもツバキがある!ツバキが主役のブティックホテルもご紹介

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日本の町中や庭園などでよく見る植物のひとつ、ツバキ。掛け軸や着物、和食器などにもよく用いられる絵柄なので、「日本」の印象が強い植物ではないでしょうか。

どことなく和の風情が感じられるツバキですが、実はヨーロッパでも「日本のバラ」として愛されてきた植物だということをご存じですか?さらにポルトガルでは、北部を中心に今でも多くのツバキが植えられているのです。

今回は「ツバキ」をテーマに、ポルトのツバキイベント、そしてツバキを名前に冠したポルトのブティックホテルもご紹介。記事の最後には、ホテルオーナーからみなさんへのメッセージもあります!

日本とツバキ

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彩りや華やかさが少ない冬に、鮮やかな赤色やピンク色、または真っ白な花を咲かせるツバキの花。街路樹としてもよく見るので、私たちにも馴染みのある植物ですね。ツバキの原産地は広くアジア一帯とされていますが、学名の「Camellia japonica」という名称からも、日本の花というイメージが強いように感じられます。

古くは古事記や万葉集などにもツバキの名前が登場しており、日本の気候風土に合ったツバキは歴史上の偉人、文化人などにも広く愛されてきました。

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ツバキが一気に日本中に広まったのが、江戸時代のこと。特に、2代目将軍の徳川秀忠はツバキをとても愛し、江戸城にツバキの庭園を設けました。さらに、江戸を訪れた諸大名がツバキを日本各地に持ち帰って育て始めたことが、現在広くツバキが植えられていることの始まりとされています。

日本の「ツバキ」の名前の由来は、ツヤやと厚みのある葉っぱを表した「艶葉木」(ツヤバキ)という言葉から、「ヤ」が欠落してしまった、など諸説あります。また、漢字の「椿」は、春を代表する花木であることから付けられた日本独自の漢字です。

そんなツバキがその昔、日本やアジアの国々からヨーロッパに渡って一時ツバキブームを起こした、というのは知る人ぞ知るストーリー。ポルトガルでもまた、ツバキは人気を博しました。

ツバキはポルトガル人が初めてヨーロッパに持ち帰った?

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アジア原産のツバキがヨーロッパに渡ったとされるのは16世紀以降のこと。ヨーロッパのツバキの由来ははっきりとはわかっておらず、いくつかの説がありますが、そのうちのひとつが「日本にやってきたポルトガル人宣教師が、ヨーロッパに日本のツバキを持ち帰ったのが始まり」というもの。(そのほか、ドイツの宣教師がヨーロッパに持ち帰ったという説もあります。)

ヨーロッパに持ち込まれたツバキは、庭園に植えることが一種のステータスシンボルとなり、貴族の館などで一大ブームを引き起こします。

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ポルトガルに実際にツバキが植えられたことが確認できる一番古い記録は1810年のことです。当時ポートワインの輸出先であったイギリスとの物流の過程で、ポルトガルへもたらされたと言われています。

ポルトガル・ポルトの対岸の町、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアの「Quinta de Campo Belo(カンポ・ベーロ庭園)」には、樹齢300年以上、ヨーロッパ最古とも言われるヤブツバキの古木が今も育っています。

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ポルトガルではツバキの木は「Caméria(カメリア)」「Japoneira(ジャポネイラ・当時の日本の国名「Japon」から派生)」などと呼ばれており、ツバキの花は「Rosa do Japão」(日本のバラ)とも呼ばれます。

ツバキはポルトガル人が初めてヨーロッパに持ち帰った、というのはひとつの仮設。ですが、ポルトガルの人々が遥か昔の大航海時代、遠く離れた日本にヨーロッパの人として初めて上陸して、そこからヨーロッパに初めて持ち帰ったのだ、というのは十分あり得そうな感じがしませんか…?

ポルトは「ツバキの町」

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ツバキが多く植えられているポルトの町は、「Cidade das Camélias(ツバキの町)」とも呼ばれており、毎年冬(2月~3月)にはツバキイベントが開かれています。イベントはその年によって場所、内容などは少しずつ異なりますが、ツバキを使ったテーブルコーディネートコンテストや、さまざまなワークショップなどが催されます。

2018年はポルトのサン・ベント・ダ・ヴィトーリア修道院でツバキの品評会や日本の影絵パフォーマンスが行われ、また有名観光地でもあるサン・ベント駅では色鮮やかなツバキの花と青いアズレージョのコントラストが楽しめる空間になりました。

日本とのつながりを感じさせるイベントのひとつになっているツバキ祭り。ポルトの町でこんなにもツバキが愛されていることに驚くのではないでしょうか。

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【ポルトのツバキがあるスポット一例】
・Parque de Serralves(セラルヴェス現代美術館)
・Jardim Botânico(植物園)
・Jardins do Palácio de Cristal(クリスタル宮殿公園)
・Museu Nacional Soares dos Reis(ソアレス ドス レイス国立美術館)

ツバキガーデンのあるブティックホテル「CASA CAMÉLIA」

CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Facade

記事の後半では、ポルトガルの友人からぜひ日本のみなさんに知ってほしい!とのことで教えてもらった、ポルトに新しくできたブティックホテルをご紹介。その名も「CASA CAMÉLIA」(ツバキハウス)!ポルト中心部から近く、ドウロ側を望む絶好のロケーションに2021年に新しくオープンしました。

CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Garden

18世紀に建てられた古いお屋敷だったところからリノベーションをしてホテルへと生まれ変わらせたのは、ポルトに移住したスイスのご夫婦、CorinneとRaffaelです。彼らは2015年に初めてポルトを訪れ、町に魅了されたことをきっかけにポルトでの新しい生活をスタートさせることを決心したのだそう。

ホテルは全9部屋で、いずれもドウロ側を臨む間取り。お部屋の名前にはそれぞれ花の名前がつけられています。客室の壁には、地元のアーティストMarta Vilarinho de Freitasが描いたポルトの町並みや花々のデザインが施されています。

CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Peonia-3
Peonia(牡丹)ルーム
CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Hortensia-6
Hortensia(アジサイ)ルーム

ホテルの庭には、もちろんツバキがあります。また、そのほかにもさまざまな植物が植えられた緑あふれるガーデンが、ホテルを訪れたゲストを迎えてくれます。

CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Garden

コロナ感染症の影響で改装工事やオープンが延びたものの、2021年末にようやくゲストを受け入れ始めたとのこと。日本からのポルトガル旅行も光が見え始めた今、私も次にポルトに行くときはぜひこのホテルに泊まりたいと思っています。

ツバキの花はもちろん、ポルトの町に魅了されたご夫婦が、「ツバキの町」とも言われるポルトへの愛情をこめてつくったブティックホテル「CASA CAMÉLIA」。次にポルトに行かれる際には、滞在してみてはいかがでしょうか。

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Buganvilia(ブーゲンビリア)ルーム
CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Camelia-1
Camélia(ツバキ)ルーム1
CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Camelia-2
Camélia(ツバキ)ルーム2
CASACAMELIA_Boutique-Hotel_Magnolia-1
Magnolia(マグノリア)ルーム

【参考リンク】
「CASA CAMÉLIA」HP
「CASA CAMÉLIA」YouTube
「Booking.com」


最後に、CorinneとRaffaelからこのサイトを訪れたあなたへメッセージをお届けします。

Dear Readers of this blog

When we first came here in April 2015, Porto was full of flowers, and we immediately fell in love with the “City of Camélias” and its inhabitants. In 2016 we bought a property with a large garden in the old town of Porto which dates back to the 18th century and is classified “Património Nacional”. During the last years we converted the mansion into our Boutique Hotel CASA CAMÉLIA, and we are very happy to receive now guests from all over the world. The garden features a small forest of old CAMÉLIA trees which are amongst the oldest in town and must have been the first species that have been cultivated in gardens in Porto after they have been brought here from Japan. In honour to these amazing flowering trees, we chose the name “CASA CAMÉLIA” for our hotel. It is very well situated at the rim of the old town of Porto in a quiet neighbourhood and with views to the river Douro and to the riverbank of Vila Nova de Gaia, the place, where the Portwine is stored in historic buildings. The main sights and restaurants can be reached within walking distance.

We would be very happy to receive readers of this blog at CASA CAMÉLIA and are looking forward very much to share with them the beauty of our house and gardens. Warm regards form Porto,

Corinne and Raffael Kneubühler

まとめ

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ポルトの町でたまたまツバキの花を見つけて、さらにポルトガルの友人から「ツバキは日本からやってきたんだよね」と教えてもらったときは、まったく知らなかったこともあり驚きでした。ポルトの味わいある茶色の町並みや、アズレージョの鮮やかな青色とのコントラストがとても美しかったのをよく覚えています。歴史的につながりの強い日本とポルトガル。こんなところでも、その古くからの交流を感じることができますよね。

ポルトガルへの旅行もそろそろ行けるかな?という期待も高まるこの頃。ぜひポルトに行かれる際は、「CASA CAMÉLIA」の滞在も検討してみてくださいね。

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