世界遺産の町ポルトは見どころ満載!歴史地区の必見スポット一挙紹介

ポルトガル第2の都市ポルトは、中世以降の建造物が残るエリアがまるっと世界遺産になっています。この記事では、観光でも特に見逃せないポルト歴史地区のおすすめスポット8件をご紹介!実際に回る時におすすめの効率的な順序で説明していきます。ぜひポルトを訪れた際には参考にしてみてくださいね。

概要と歴史

ポルトガルの北部にある港湾都市「ポルト」は、ポルトガルの国名の起源にもなった町です。古くから商業の地として栄え、現在でもポルトは「働く」町として、仕事熱心な人が多いともいわれています。

14世紀から15世紀にかけての大航海時代の航路開拓、また18世紀から19世紀にかけてのポートワインの輸出拡大により、ポルトの町は栄華を極めます。そして、潤沢な富を豪華な建造物の建設に注ぎました。

そんな歴史あるポルトの町が世界遺産に認定されたのは1996年のこと。14世紀に建設された、旧市街地区を囲んでいたフェルナンディナ城壁の内側のエリアを中心に「ポルトの歴史地区」として認定されました。現在城壁は一部が現存するのみですが、エリア内には中世から近代にかけての古い建物が集中し、かつての繁栄を思わせる立派な建物が多く建ち並びます。

2016年には、ポルトの対岸の町ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアとの間に架かるドン・ルイス1世橋と、ポルトから橋を渡った先にあるセハ・ド・ピラール修道院が追加で世界遺産の範囲に加わりました。

基本情報

まずはポルト歴史地区へのアクセス方法と歴史地区内の交通手段、観光の所要時間の紹介です。この後に紹介する見どころのスポットの基本情報は、それぞれの紹介欄をご覧ください。

アクセス

アクセス難易度:★☆☆
 ★☆☆…簡単!ポルトガル観光定番スポット
 ★★☆…やや難。大都市からちょっと足を伸ばして
 ★★★…奥地。電車やバスを乗り継いで

ポルトは鉄道、バスともにポルトガルの主要都市とつながっているのでアクセスのしやすさはトップレベル。ポルトガル旅行でも、気軽に訪れることのできる世界遺産スポットのひとつです。

ヨーロッパ各地とポルトの空港との直行便も多く出ているので、直接ポルトに到着するフライトを利用することも選択肢のひとつです。

リスボンからのアクセス

・鉄道:リスボンのサンタ・アポローニャ(Santa Apolónia)駅からポルトのカンパニャン(Campanhã)駅までおよそ3時間(高速鉄道AP利用)
・バス:リスボンのセッテ・リオス(Sete Rios)ターミナルからポルト(Campo 24 de Agosto)ターミナルまでおよそ3時間半~4時間(Rede Expressos社の高速バス利用)
・飛行機:およそ1時間(TAPポルトガル航空利用)

コスト面をとるなら高速バスがおすすめ。ただし、鉄道や飛行機も早い段階で予約をしたり、オフシーズンに合わせたりすると割引料金で利用できるケースもあります。

ポルト歴史地区の移動手段

ポルト歴史地区は歩いても回れますが、地下鉄やトラム、ケーブルカーを利用すると効率的に、また坂道に悩まされることなく巡れます。

・トラム:ポルト市内を走るトラムは現在3路線あります。そのうち歴史地区を中心に巡るのは22番線。クレリゴス教会やサン・ベント駅、ポルト大聖堂といったスポットの近くを走ります。落ち着きのある木目調のレトロなトラムは、ポルトの町並みにしっくりと馴染む存在です。

・地下鉄:ポルト側からヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアに渡りたいときは地下鉄も手段のひとつ。サン・ベント駅からドン・ルイス1世橋の上層を通り、対岸のジャルディン・ド・モーロ駅で降りるとセハ・ド・ピラール修道院のすぐふもとです。

・ケーブルカー:坂道の多いポルトの町の強い味方がこのケーブルカー(Funicular dos Guindais)です。ドン・ルイス1世橋の下層のたもとから、高台にあるポルト大聖堂近くまでの急こう配を一気に昇り降りします。あまり目立たない交通機関ですが、覚えておくと便利ですよ。

観光の所要時間

ポルト歴史地区:1日~1日半

ポルトの歴史地区は効率よく回ることができたら丸一日あれば十分歩いて回れるくらいのコンパクトさです。しかしオンシーズンは場所によっては入場までの待ち時間が発生する場合もあり、また坂も多いので休憩は必須。少し余裕のあるスケジュールが望ましいでしょう。

歴史地区以外にも見どころは多いので、ポルトで1泊できるプランだとゆとりをもってじっくりと堪能できますよ。

世界遺産の町ポルトの見どころ

ここからは世界遺産ポルトの歴史地区にある見どころスポットを紹介していきます!

ドウロ川近くのサン・フランシスコ教会から始まり、坂を登った先にあるクレリゴスの塔、さらにポルト大聖堂を経由しドン・ルイス1世橋を渡って対岸のセハ・ド・ピラール修道院まで、実際に回る時におすすめの効率的な順序で説明していきます。

サン・フランシスコ教会

サン・フランシスコ教会は、14世紀の建設当初はゴシック様式でしたが、その後の増改築で内装を中心にバロック様式が用いられています。

見どころは教会内部の祭壇、天井、壁、柱を埋め尽くす黄金の金泥細工。重厚感のあるまばゆい装飾に使用されているおよそ600kgもの金は、18世紀にブラジルから運ばれてきました。ポートワインの輸出により、ポルトの町が繁栄を誇った時代を表す富の象徴の建物のひとつです。

教会に入って左手にあるエッサイの樹(Árvore de Jessé)と呼ばれるキリストの家系図、また右手にあるキリスト教宣教師たちの日本での殉教場面も描かれた殉教祭壇画はチェックしておきたい必見ポイント。

教会内部は写真撮影禁止ですが、そのきらびやかな姿はいつまでもはっきりと記憶に残るはずです。

サン・フランシスコ教会(Igreja de São Francisco)
住所:Rua do Infante D. Henrique 4050-297 Porto
営業時間:9:00~17:30(11月~2月)9:00~19:00(3月~6月、10月) 9:00~20:00(7月~9月)
入場料: 7.5€(博物館、地下の納骨堂含む)

ボルサ宮

この地には、かつてサン・フランシスコ教会に併設されていた修道院がありました。19世紀の火災で修道院が消失、その跡地に建てられたのが証券取引所のボルサ宮です。現在はポルト商工会の本部が置かれ、展示会の会場や国際会議の場所としても利用されています。

ボルサ宮の内部は、ガイド付きのツアーに参加する形で見学して回ることが可能です。実際に裁判が行われていた「法廷の間」、スペインのアルハンブラ宮殿を模した「アラブの間」が有名。

また、「紋章の間」にはポルトガルを始めとする19ヵ国の紋章が描かれており、2015年の修復工事中には内部から徳川家の家紋が発見されたことで日本でも注目を集めました。日本は江戸時代の1860年にポルトガルと修好通商条約を締結。1865年のポルト国際博覧会には日本から使節団が派遣されていることから、この時のものではないかと言われています。

ボルサ宮(Palácio da Bolsa)
住所:Rua Ferreira Borges 4050-253 Porto
営業時間:9:00~13:00、14:00~17:30(11月~3月)9:00~18:30(4月~10月)
入場料:10€
※ガイドツアー付き(英語・ポルトガル語・スペイン語・フランス語)
HP: ボルサ宮公式サイト

エンリケ航海王子広場・エンリケ航海王子の生家 

ボルサ宮の目の前に広がる緑の芝生は、「エンリケ航海王子広場」です。芝生の中央には、地球儀を足元に置き、川の向こうの大西洋とその先のアフリカ大陸を指差すエンリケ航海王子の銅像が。エンリケ航海王子の生誕500年を記念して造られました。

また、広場から歩いて数分の位置にはエンリケ航海王子が1394年に生まれたと伝えられる家が今も残っています。ポルトの税関が手狭になった際には、新たな税関としての役割も担いました。現在、内部はポルトの歴史を中心とした展示や中世のポルトの500分の1の模型がある博物館になっています。

エンリケ航海王子広場(Praça do Infante D. Henrique)
住所:Rua do Infante Dom Henrique , 4050-298 Porto

エンリケ航海王子の生家(Casa do Infante)
住所:Rua da Alfândega 10, 4050-029 Porto
営業時間:10:00~17:30
休館日:月曜日・祝日
入場料: 2.2€(土日は無料)

サン・ベント駅

サン・ベント駅は、サン・ベント・デ・アヴェ・マリア修道院の跡地に20世紀初頭に建設された鉄道駅です。アメリカの旅行誌『トラベル・アンド・レジャー』で、「世界で最も美しい駅のひとつ」と称されたサン・ベント駅は、およそ2万枚ものアズレージョで覆われた構内が見どころ。

ポルトガルのアズレージョ画家ジョルジェ・コラソ(Jorge Colaço)によって11年もの歳月をかけて描かれたアズレージョには、北部を中心とするポルトガルの歴史や、鉄道の到来までの交通の発展の歴史が描かれています。

サン・ベント駅(São Bento)
住所:Praça Almeida Garrett 4000-069 Porto
HP: サン・ベント駅公式サイト

クレリゴスの塔とクレリゴス教会 

クレリゴスの塔は、ポルト歴史地区のなかで最も高い建物です。高さ76m、そしておよそ250段の階段からなる塔で、細い螺旋階段を歩いて昇り降りすることが可能。

塔の真ん中には49の鐘があり、日中に何度か自動で音が鳴る仕組みです。この時にタイミングよく鐘の近くを昇り降りしていると、突然の鐘の音に驚いてしまうことでしょう。塔を登り切った展望台からは、赤茶色の屋根が広がるポルトの町並みとドウロ川、そして対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアを一望できます。疲れも吹き飛ぶ絶景が待っていますよ。

塔に併設されているクレリゴス教会は、どこかメルヘンな雰囲気が漂う淡いピンク色が優しい温かな空間です。地下にはクレリゴスの塔とクレリゴス教会を始め、ポルトガル国内のさまざまな建造物の建設に携わったイタリアの建築家ニコラウ・ナゾニが埋葬されています。

クレリゴスの塔(Torre dos Clérigos)
住所:R. de São Filipe de Nery 4050-546 Porto
営業時間:9:00~19:00(12/24、12/25、12/31、1/1は短縮営業)
入場料: 6€(教会は無料)
HP: クレリゴスの塔公式サイト

※歴史地区外にはなりますが、クレリゴスの塔の近くには「世界一美しい本屋」とも称されるレロ書店があります。ポルト観光で見逃せない人気のスポットなので、こちらも要チェックですよ!
もっと詳しく!→「ハリポタファンも必見!“世界一美しい本屋”のレロ書店

ポルト大聖堂 

ポルト市内で最も古い建造物のひとつがこのポルト大聖堂です。要塞としての役割を担った12~13世紀の建設当初はロマネスク様式で建築され、その後の増改築でゴシック様式、バロック様式などさまざまな様式が混在しています。外観はロマネスク様式、回廊と礼拝堂、バラ窓はゴシック様式、そして玄関はバロック様式で現存しています。

大聖堂脇の回廊とポルト司教の元住居(Paço Episcopal)は、クレリゴスの塔を設計したニコラウ・ナゾニにより18世紀に増改築をされたものです。また、大聖堂前の広場にある彫刻の美しい柱は、犯罪者を吊るして罰するさらし台(Pelourinho)。この地に建てられたのは1945年と意外と最近のことです。

ポルト大聖堂(Sé do Porto)
住所:Terreiro da Sé 4050-573 Porto
営業時間:9:00~18:30(4月~10月)9:00~17:30(11月~3月)
休館日:聖日曜日(イースターサンデー)・12/25
入場料: 無料(回廊と宝物館への入場は3€)
HP: ポルト大聖堂公式サイト(Facebook)

ドン・ルイス1世橋

いまやポルトの景観を代表するドン・ルイス1世橋は、ペンシル橋という吊り橋の代理の橋として19世紀に建設されました。設計者は、フランス・パリのエッフェル塔の設計者エッフェルの弟子のテオフィロ・セイリグ。コンペティションで、エッフェルを負かして選ばれたそうです。

橋は高さおよそ45mの2層構造で、上層は約400mでメトロと歩行者専用、下層は約170mで自動車道と歩行者専用です。橋の上層を渡りながらポルトを見下ろすと、世界遺産の歴史地区が一望できます。見とれてしまう美しい光景ですが、すぐ脇をメトロが行き来するので要注意です。

セハ・ド・ピラール修道院

ドン・ルイス1世橋をポルトからヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ渡り切り、左手を見上げて見えるのが、このセハ・ド・ピラール修道院です。16世紀に建てられた修道院は、現在礼拝堂と回廊の中を見学することができます。

また、修道院目の前の広場からはポルトの町並み、ドン・ルイス1世橋がすべて視界に収まる絶景スポット。坂を登ったり降ったりでクタクタかもしれませんが、ここでもうひと踏ん張りして高台まで登れると、とっておきの光景に出会えますよ。

セハ・ド・ピラール修道院(Mosteiro da Serra do Pilar)
住所:Largo de Avis – Santa Marinha 4430-329 Vila Nova de Gaia
営業時間:10:00~18:00
休館日:月曜日
入場料: 3€

【ここに来たらはずせない!】おすすめのグルメ

坂道の多いポルトの町。世界遺産のエリアを巡っているうちに、小腹が空いてきた…なんてこともあるでしょう。ちょっとお腹を満たしたい、そんなときにおすすめなのが「ビファナ」。薄切りの豚肉をソフトなパンでサンドしたシンプルなファーストフードです。

ポルト限定のグルメというわけではありませんが、ビファナを食べるならここ!とイチオシのお店がポルトにある「Conga(コンガ)」というカフェレストラン。少しピリッとしたつゆだくの豚肉が、ふわふわのパンでサンドされたビファナは1個食べたらまた1個、と思わずお替りしてしまいたくなる魅惑の味つけと食感です。

もちろんそのほかのポルトガル定番グルメやワインなど、ひととおりのメニューもそろっています。一日を通して賑わうお店ですが、広い店内に加えて回転もよいのでサクっと食べるにはもってこいのお店です。サン・ベント駅からおよそ5分です。

【店舗情報】コンガ(Conga – Casa das Bifanas)
住所: Rua do Bonjardim 318, 4000-115 Porto
営業時間:12:00~21:30
メニュー一例: ビファナ2.3€・スープ1.7€・グラスワイン1.5€
HP:コンガ公式サイト

スポットマップ 

まとめ 

世界遺産、ポルトの歴史地区のご紹介でした。この記事で紹介した世界遺産エリアの歴史的建造物は実はほんの一握り。まだまだ歴史的な建造物が町中に見られるのがポルトの町の魅力です。

歴史地区の細くて迷路のような路地を歩くだけでもあっという間に時間は経ってしまいます。ぜひ見どころ満載のポルトの町をすみずみまで巡ってみてくださいね。

※各施設・店舗の情報は2020年8月の情報です。今後変わる可能性がありますので、最新の情報は公式HPなどでご確認ください。

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