潮風薫るナザレ ― 伝統と祈りに包まれた海辺の町を歩く

ポルトガル屈指の美しいビーチが自慢のナザレ。
近年、世界中のサーファーが集まる”サーフィンのメッカ”としても有名です。
地元の人だけではなく、国内外から多くの観光客が訪れるポルトガル観光・定番の海水浴場。

ビーチリゾートというよりは、家族や友人たちと日光浴などしてのんびり過ごせる、親しみやすく庶民的な雰囲気が魅力の一つです。

とはいえ、ハイシーズンの夏は砂浜いっぱいにビーチパラソルが広げられ、多くの人で賑わうナザレ。
ナザレの定番スポット!ビーチを望む断崖は、ナザレの町のランドマークです。

一歩ビーチ沿いにある中心街の路地に入れば、土産店やレストランに混ざって住宅エリアが続きます。そこには、もう一つのナザレ。昔ながらで情緒ある漁師町の表情が見えてきます。

今回は、独特の漁師町文化を色濃く残すナザレの魅力をたっぷりと紹介します!

概要と歴史

シティオ地区からの絶景

「ナザレ(Nazaré)」は、ヘブライ語の『神に奉献する(Consagrar-se a Deus)』が語源とされています。
現在のイスラエル北部にある「ナザレ(またはナザレス)」という町が、(キリスト教では)イエス・キリストの少年時代を過ごした場所とされています。

ポルトガルのナザレの由来は、4世紀頃、ある聖職者がイスラエルのナザレから聖母像を持ち込んだという言い伝えにちなんでいるとされています。ブラジルにも同名の町があり、「ナザレ」という地名は、キリスト教と深い関わりがあることが分かります。

現在のナザレ・ビーチがある「プライア地区(Praia)」に人々が住み始めたのは17世紀半ばと遅く、当時の住民の数は約800人ほどだったと言われています。

その頃から、今でも続く漁業が始まりました。しかし、アルジェリアやオランダの海賊による襲撃や19世紀初めのフランス・ナポレオン軍の侵攻と戦いが相次ぎ、人々は長い間苦しんできました。

そのため、ほとんどの漁師や住民たちが、より安全な小高い岸壁にある「シティオ地区(Sítio)」や海岸から少し内陸に入った村「ペデルネイラ(Pederneira)」に暮らしていました。

1811年にフランスの3度にわたるポルトガル侵攻が失敗に終わると、ようやくナザレにも穏やかな日々が訪れます。
19世紀後半の海水浴ブームも重なって、ナザレには徐々に海水浴客が訪れるようになりました。
そして、1960年代に有名な写真家や映画監督がナザレを題材にした作品を発表したことがきっかけで、ナザレは世界的に知られるようになり、有名な観光地として注目されたのです。

ここ数年では、日本人女性プロサーファー「前田マヒナ」さんが史上最年少で挑戦したことでも話題になった『ナザレのビッグウェーブ』が、この町をよりエキサイティングに盛り上げてくれています。

観光地化が進んだナザレですが、一方で日本の漁師町のように干物棚が並んでいたり、年季の入った漁船が置いてあったりと伝統的な近海漁業が今でも受け継がれています。

そして、観光客で溢れるビーチとは別に、ゴツゴツとしたダイナミックな岩肌と砂浜が続く海岸線は、手つかずの自然の美しさを秘めています。

1年を通して比較的温暖なナザレは、保養地としても親しまれています。
リスボンやコインブラから100km圏内にあるナザレは、家賃も安く住みやすいことから移住する人も多いそうです。

基本情報

アクセス

アクセス難易度:★☆☆
  ★☆☆…簡単!ポルトガル観光定番スポット
  ★★☆…やや難。大都市からちょっと足を伸ばして
  ★★★…奥地。電車やバスを乗り継いで

ナザレはリスボンから近く、ショートトリップ先として定番の観光地です。
リスボンからバス1本で行けるため、アクセスも良好。
その他の都市(ポルトやコインブラなど)からもアクセスしやすいです。
周囲に聖地ファティマや世界遺産アルコバッサ修道院など、有名観光スポットが集中するエリアにある素通りできない町です。

リスボンからのアクセス

・バス:リスボンの地下鉄ブルーライン(Linha Azul)の「ジャルディン・ゾロージコ(=Jardim Zoológico、動物園という意味。)」駅隣接の「セッテ・リオスバスターミナル(Terminal Rodoviário de Sete Rios)」から「ナザレバスターミナル(Terminal Rodoviário da Nazaré)」まで、およそ1時間30分『ヘッジ・エクスプレス社(Rede Expressos)』の定期バス、片道約15~20ユーロ)

HP: Rede Expressos (最新の運行状況や時刻表はこちら)※現在、HPメンテナンス中。

※ジャルディン・ゾロージコ駅は地下鉄ブルーライン(Linha Azul)が通っているので、同じ路線が通るリスボン中心部のロッシオ(Rossio)駅からレボレイラ(Reboleira)駅行に乗車するのが分かりやすくて便利です。
サンタ・アポローニア(Santa Apolónia)駅行は反対方向になるので、間違わないように注意しましょう。

バスは長距離バスなので、終点はナザレではなく、他の都市を経由するバスがほとんどです。
乗り過ごさないようにしましょう。

ナザレのバスターミナルはビーチ近くにあるので便利です。(大都市のバスターミナルと比べると小さめで待合室も狭いので、バスの時間までは近くのカフェで待つのがオススメ。)
特にアナウンスなどはなく、大体時間になると、バスターミナルに面した通りにバスが到着するので、運転手にチケットを見せて、行き先をちゃんと確認してから乗車するのが安心です。

<補足情報>
ナザレには中心部から少し離れた鉄道駅もあります。ただ1日の本数が非常に少なく、時間がかかってしまうのでバス利用がオススメです。

観光の所要時間

リスボンとナザレを結ぶバスは、往復ともに比較的に本数がある方ではあります。

ですが、夏のハイシーズンは国内外から多くの観光客が訪れるので、バスが満席になることもあります。
早めに着いて、帰りのチケットを購入しておくと安心です。

ナザレは、白い砂浜が続くビーチエリアの「プライア地区」(praia=ポルトガル語で「ビーチ」という意味。)と、海に向かって右側の断崖の上にある教会を中心とした「シティオ地区」(Sítio = 「場所」という意味。)が主な観光スポットです。

プライア地区とシティオ地区はケーブルカーで結ばれています。どちらのエリアも観光客で賑わっていますが、プライア地区の方がレストランやカフェが多く集まっているので、午前中はビーチでのんびりするのがオススメです。

太陽たっぷりのナザレ・ビーチを堪能した後は、急斜面を登るケーブルカーに乗って、シティオ地区へ。

この町のシンボル的な存在「ナザレ聖母教会(Santuário da Nossa Senhora da Nazaré)」を中心とした広場には、土産店が軒を連ねています。

ナザレにはもう一つ、世界的に有名な場所があります。
それは、世界中のサーファーが憧れる大波を目の前に見ることができる『灯台』です。

いずれも1日あれば、徒歩でも十分に回れる範囲にあります。日中の青空が気持ちがいいナザレですが、実は日没がハイライト。夕日がとても美しいのです!

夕日を見てからでもリスボンには戻れますが、ビーチ沿いや趣ある路地の多い中心部には、こじんまりとした可愛らしい民宿からオーシャンビューのスタイリッシュなホテルまで、海街ステイにぴったりの宿がたくさんあります。ゆっくりと1泊するのもオススメですよ。

ナザレの少し荒々しい波の音をBGMに、観光客が少なくなる夜と朝の静かなビーチを散歩してみては?

ナザレの見どころ

潮風を浴びて ~ナザレ・ビーチ~ 

ナザレのバスターミナルを降りると、もう潮の香りがしてきます。

ナザレは、北は「アヴェイロ(Aveiro)」から南の「トーレス・ヴェドラス(Torres Vedras)」まで続く『コスタ・プラタ(Costa Prata)』= ”シルバーコースト”の中で最も多くの海水浴客で賑わう海水浴場です。

冒頭でも述べたように、リゾートというよりは、年齢問わず老若男女が憩う庶民的なビーチ。

三日月形の白浜が続く、その名も「プライア・ダ・ナザレ(Praia da Nazaré)」は、夏のハイシーズンにはビーチパラソルや人々で砂浜が埋め尽くされるほど人気のビーチです。

日本人にも馴染みのある干物(ポルトガル語では、「セッカ・ド・ペイシェ(Seca de peixe)」 と呼びます。)を作る棚がいくつも置かれており、日本の漁師町の情景を彷彿とさせます。

運が良ければ、砂浜で伝統的な漁に遭遇することも。

ポルトガルでは、特にこのナザレで行われる地引網漁を「アルテ・シャーヴェガ(Arte Xávega)」と呼んでいて、その伝統的な漁法を大切に受け継いできました。「シャーヴェガ」とはアラブ語で「網」を意味する言葉で、スペインのアンダルシアやガリシア地方から伝わってきたそうです。

ここにもイスラム教徒支配時代の名残があるんですね。

もう夏の陽ざしの6月下旬。多くの漁師や魚売りが地引網で獲れた魚に感謝し、喜び、「シュイ(Chui !)」という独特の掛け声で新鮮な魚を売る姿が見られます。

新しく港が整備された後もこの行事を続けるのは、伝統を忘れない気持ちとそれを多くの観光客に知ってもらうためでもあるそうです。

年間を通して、ナザレの海は波が少し高めで風が強いのですが、その風の強さと燦燦と照りつける太陽がナザレ・ビーチの醍醐味でもあります。

オフシーズンの冬は、日本海のような荒々しい波が砂浜に叩きつけます。
観光客もまばらですが、景色を独り占めできます。
(とっても寒いですけど…)

プライア地区の石畳からシティオ地区を望む

ビーチ沿いは、きれいに石畳の歩道が整備されているので、水着のままでも散策できるのがいいところです。
海を眺めながら、新鮮なシーフードを使ったブイヤベースのような「カルデイラーダ(Caldeirada)」という煮込み料理やさまざまな魚介のグリルを食べられるレストランがいくつもあります。

もちろん、疲れた体を潤すジェラートやクレープに、ポルトガルNo.1スイーツのパステイス・デ・ナッタといった、休憩にぴったりなカフェもたくさんあります。

全国的ではありますが、ポルトガルでは夏になると、カフェやバーでビール片手にカラコイシュ(caracóis)を食べているカップルや老夫婦を見かけることがあります。

『カラコイシュ』とは、ポルトガル語で「カタツムリ」のこと。フランス料理の『エスカルゴ』は香草バターでジューシーに焼かれていますが、ポルトガル版エスカルゴはシンプルに塩茹で!
ポルトガルの ”枝豆” 「トレモッソ(tremoço)」と、よくコンビで供されることも多い夏の定番おつまみです。
(※トレモッソとは、北アフリカや地中海地方で採れる「ルビニ豆」を塩漬けしたものです。大豆に似た見た目と食感です。)

シティオ地区へのケーブルカー乗り場へ向かう途中のカフェには『Caracóis』と大きく書かれた張り紙をたくさん見かけます。
少し勇気がいりますが、ポルトガルの『夏の風物詩』にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

祈りと奇跡の場所 ~シティオ地区~

先ほどのナザレ・ビーチ向かって右奥に目を向けると、荒々しい岩肌が露出した岬が見えます。

その高さ約300mの断崖絶壁の上には、ポルトガルの長い海岸線の中でも最も有名なパノラマビューで知られるシティオ地区があります。

プライア地区からも見える急斜面を行き交うケーブルカーの乗り場までは、ビーチからカフェやレストラン街を通り抜けて、徒歩10分程度で着きます。

数人乗りの小さなケーブルカーに乗ると、すぐにキラキラと光る海面と白浜が目の前に広がります。その感動をさらに盛り上げてくれるのが、絶壁ギリギリまでせり出した「スベルコ展望台(Miradouro do Suberco)」からの絶景です!

雄大な大西洋とオレンジ色屋根のナザレの街並みとのコントラストは、思わずため息がこぼれるくらいの美しさ。

その展望台の片隅には、「エルミダ・ダ・メモーリア(Ermida da Memória)」=『記憶のチャペル』と呼ばれる小さくて可愛らしい建物がひっそりと佇んでいます。

チャペルの中は、まるで万華鏡のように青と白の美しいアズレージョタイルで飾られています。

このチャペルが建てられたのは1182年。この地の貴族だった「ドン・フーアス(D. Fuas)」が聖母マリアが起こしてくれた ”奇跡” に感謝して作ったものです。

伝説によると、彼が鹿狩りをしていたところ、乗っていた馬が急に断崖の底めがけて突っ込もうとしました。
しかし、寸前のところで、転落を免れたそうです。今でも、このチャペル横の岩には、その馬がつけた蹄鉄の跡が残っているのだとか。

その伝説を描いた絵が、チャペルすぐ近くの「ナザレ聖母教会(Santuário de Nossa Senhora da Nazaré)」の後陣(=アプス、祭壇上の半円ドーム部分)に飾られています。

こちらはシティオ地区の中心にあり、まさしく町のシンボル的存在。ゆるやかな階段からのアプローチと見事なファサードの入り口を抜けると、目の覚めるようなカラフルなステンドグラスが迎えてくれます。

14世紀に建立されてから17世紀まで、さまざまな王によって改修や拡張が繰り返され、ようやく今の姿になったのは、1717年に今でもトレードマークになっている2つの鐘楼が作られた時でした。

祭壇には『黒い聖母マリア』と呼ばれるオリーブの木で作られた、黒く輝く非常に珍しいマリア像が安置されています。

「Nossa Senhora da Nazaré」は、聖母マリアのことを指します。
多くが海に関わる仕事に就くナザレの人々。
この教会は、その無事を祈る大切な場所でもあります。

また、17世紀後半にオランダに特注した装飾タイルが袖廊(しゅろう)=身廊と交わる横の部分を彩っています。オランダと言えば「デルフト焼」というくらい、今もオランダのデルフトで作られている伝統的なタイルにポルトガルの教会で出会えるなんて、貴重な体験です。

青い海もステキですが、さっきまで遊んでいた眼下に広がるビーチで楽しむ海水浴客が、まるでミニチュアのように見えて、いつまで眺めていても飽きない景色です。

広場や展望デッキにはベンチもあるので、心ゆくまで海を眺めたり、写真を撮ったりと思うままに過ごせますよ。

ナザレの ”ビッグウェーブ”

ポルトガル語で「世界一のビッグウェーブへようこそ!」と書かれた入り口の先には・・・

シティオ地区のある岬の先端には、赤いペンキが塗られた可愛いい灯台(Farol da Nazaré)があります。教会や展望台のある広場から少し下った先にあるので、海がより間近に見えます。

その可愛らしい灯台からは、世界的にも有名になった ”新しい” ナザレ名物を見ることができるんです。

それは、ナザレ・ビーチの北側にある野趣あふれるビーチ「プライア・ド・ノルテ(Praia do Norte、「北のビーチ」という意味。)」に打ち寄せる巨大な波『ナザレのビッグウェーブ』です。最大で30m以上の波にもなったことのあるビーチでは、サーフィンの世界大会が開催されます。
多くのファンや居合わせた観光客が、巨大な波と果敢にチャレンジをする世界のプロサーファーたちのパフォーマンスに圧倒されます。

始まりは、2011年。後にナザレのビッグウェーブを世界に知らしめた第一人者で、アメリカ人プロサーファー「ガレット・マクナマラ(Garret McNamara)」が、当時のギネス記録になる約24mの波乗りに成功したことがきっかけでした。

基本的には、10月~3月の冬の時期にビッグウェーブが現れます。(それ以外の時でも運が良ければ、見られる場合があるそうです。)この期間に、サーフィンの世界大会・ナザレ・チャレンジ(Nazaré Challenge)やボディーボードの世界大会・ナザレ・プロ(Nazaré Pro)が開かれます。

平均しても、約24m(ビル8階建て相当)の波が轟音と共に、何度も砂浜に打ち付ける光景は恐ろしくもありますが、同時に自然のダイナミックさを感じさせてくれます。

そのすごさは、NHKでも特集が1本撮られるほど。地形的にも壮大なスケールのナザレの海の形成は、約2億年前の大西洋誕生まで遡ります。

ナザレ沿岸から約500km地点にあるヨーロッパ最大の「ナザレ海峡」は、全長約200km・深さ約5,000mもある海溝で、潮の流れやぶつかり合う波形など多くの地理的条件が重なり、世界でも稀なビッグウェーブが発生しやすいメカニズムになっているそうです。
(番組名『驚き!地球!グレートネイチャー~世界一の巨大波を追え~』2020年放送)

底なしに見えるダークブルーの波の凄まじい迫力は、実際に見てみる価値があります。
ナザレのビッグウェーブの映像は、こちらのYoutubeチャンネルをご覧ください。

Gigantes de Nazaré – YouTube(ジガンティス・デ・ナザレ 『ナザレの巨大波』チャンネルより)

ナザレの女性たち

ナザレ・ビーチ沿いや中心部の路地や広場を歩いていると、伝統衣装に身を包む女性たちを見かけることがあります。

特にナザレのおばあちゃんたちは、観光客のためでもあるそうですが、伝統衣装を日常生活の一部にして、着こなしている人が多いです。

なぜかと言うと、やはりナザレの漁師町という歴史が関係しています。

昔も今も、男性の多くが漁師として海に出かけてしまいます。
陸で待つ女性たちは、夫や息子の無事を祈りながら、干物を作ったり、魚を売り歩いたりしていました。
ナザレの女性たちが身に付ける伝統衣装の最大の特徴が刺繍や柄の入った布スカートを何枚にも重ねた姿です。
ポルトガル語で「7枚のスカート」を意味する『セッテ・サイアス(Sete saias)』という呼び名で親しまれています。

ポルトガル語で、数字の 7(sete「セッテ」)は色々な意味を持ちます。7と付けると、そのモノが「無数」に「たくさん」あることを表せます。例えば、リスボンの丘が多い街の様子を「セッテ・コリーナシュ(Sete colinas)」と表現しています。つまり、リスボンには数え切れないほどたくさんの丘があるということです。

また、英語のラッキーセブンと同様に、7という数字自体が縁起のいいもので、その起源は諸説ありますが、ナザレの7枚のスカートには、『7つの美徳』『7つの曜日』(ちょうど1週間は7日)や『虹色』(7色)、『7つの波』(幾重にもなった波が砂浜に寄せる様子)を表していると言われるそうです。

さらには、ちゃんと実用的な意味もあって、7枚も重ねていると足腰の冷えを防げるのだとか。
漁の帰りを長時間待つことを考えると、美しさだけではなく、使いやすさも兼ね備える必要があるんですね。

スカートは明るい色の布ばかりで、見ているだけで華やかですが、不幸にも家族を海で亡くした女性は黒い衣装を身に付けています。

ここまで、女性の衣装を紹介しましたが、男性の伝統衣装もあります。男性たちは、チェック柄のシャツに、黒いとんがり帽子が特徴的です。
スカートにする刺繍をお土産のタオルやキッチンクロスにしたお店もあります。

日常生活に溶け込む「伝統」の生き証人でもあるナザレの女性たちを見かけたら、ぜひ声をかけてみてください。きっと、優しく迎えてくれますよ。

国営テレビのRTP(エッヒ・テー・ペ)のドキュメンタリーにナザレの伝統衣装が登場します。
(ビデオはポルトガル語ですが、後半20分目に衣装を身にまとった女性たちが現れます。)

Nazaré – RTP Arquivos(RTPアーカイブ『ナザレ』より)

ちょっと足をのばして ~サン・マルティーニョ・ド・ポルト~

ナザレから南へ数キロに位置する「サン・マルティーニョ・ド・ポルト(São Martinho do Porto)」は、ナザレ・ビーチとは対照的に、静かで隠れ家的ビーチです。

入り江が狭く、イタリアの芸術家ボッティチェリの絵画「ヴィーナスの誕生」に描かれた貝殻のように美しい形をした湾が特徴です。

このため、波がとても穏やかです。マリンスポーツを楽しむ人も多く、冬の風の強い日には、ウィンドサーフィンが人気です。白浜が美しいので、海を眺めているだけでも癒されます。

爽やかなマリンブルーを間近に楽しんだ後は、ビーチから徒歩15分程で行ける「クルゼイロ展望台(Miradouro do Cruzeiro)」から、ビーチ全体を眺めてみましょう。

十字架のモニュメントがある頂上からは、くっきりとした貝殻型の湾内とエメラルドグリーンの大西洋が望めます。
天気の良い日は、ナザレや同じく美しいビーチで有名な「ペニシェ(Peniche)」の町まで見えるそうです。

数あるポルトガルのビーチの中でも、一風変わった芸術的なビーチ。

わざわざ足を運ぶ価値があります!

<サン・マルティーニョ・ド・ポルトへの行き方>
公共交通機関はないので、ナザレから車(またはUber)で約20分。

【ここに来たらはずせない!】おすすめのグルメ&お土産

ナザレに来たら、やはり新鮮なシーフードを食べずには帰れません!
ビーチ沿いのレストランからは、炭火焼きのいい香りがしてきます。

ビーチからケーブルカー乗り場に向かって歩いていくと、カフェや土産物など路面店が続く通りの角に真っ白な壁が印象的なホテルが見えてきます。

その1階に、ホテルと同じ名前のレストラン「マール・ブラーヴォ(Mar Bravo)」があります。

大きなガラス窓から海を眺めることができる開放的な空間で、素材の味を生かしたシーフード料理が頂けます。
ランチタイムにはお得なスープとメイン&ライスとサラダがセットになった定食スタイルのメニューがあって、選びやすくて頼みやすいです。
特に、魚介の旨味が凝縮したクリームスープ「クレーメ・デ・ペイシェ(Creme de Peixe)」は絶品です!

濃厚なエビのだしがたまりません!

お酒のおつまみにもいい魚介のフリットやマリネもあります。魚があまり得意ではない人には、野菜スープや肉料理もありますのでご安心を。

【店舗情報】マール・ブラーヴォ(Mar Bravo)
住所:Praça Sousa oliveira, Nazaré
営業時間:12:00~23:00
定休日:なし

公式HP:Mar Bravo – Restaurante

ホテルの客室は、オーシャンビューのオシャレな部屋が50ユーロ(約6,500円)からとリーズナブル。ビーチは目の前。朝夕の散歩にもすぐ行けちゃいます!

詳しくはこちらから♪ Mar Bravo – Hotel

※コロナの影響で営業時間が異なる場合があります。

スポットマップ

まとめ

潮風が心地よい、伝統と祈りが息づく漁師町ナザレ。

美しいビーチに多くの観光客が心躍らせる海水浴場という「明るい」部分と、海の恐ろしさや厳しさと共に暮らしてきた人々の生活を垣間見る「重みのある」部分が交錯するナザレの街並みは、とても独特で趣があります。

さらに漁師の無事を願う人々の思いがこもった空気感に、シティオ地区から眺める夕日は格別なものになります。
そして、何よりもナザレの人々が作り出す温かい雰囲気がステキで、とても居心地の良い街です。

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