大航海時代のロマンここにあり-ジェロニモス修道院とベレンの塔

ポルトガルを代表する世界遺産、ジェロニモス修道院とベレンの塔の基本情報からアクセス方法、見どころまで徹底解説!行く前に知っておきたい情報をぎゅっとまとめました。さらにプラスアルファで訪れたいスポット、おやつやお土産にもおすすめの絶品スイーツまでご紹介します。

概要と歴史

リスボンのベレン地区にあるジェロニモス修道院とベレンの塔は、16世紀初頭にいずれも時の国王マヌエル1世の命により造られました。大航海時代のポルトガルの繁栄を今に伝える文化遺産として1983年に世界遺産に登録。ポルトガル初の世界遺産のひとつとなりました。

ポルトガル海洋帝国時代のロマンを感じずにはいられない、建設当時の隆盛をしのばせる壮麗な姿が特徴です。

基本情報

ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)

住所:Praça do Império 1400-206 Lisboa
営業時間:10:00~17:00(10月~4月)10:00~18:30(5月~9月)
    ※日曜などミサが行われる日は短縮あり
休館日:月曜日・1/1・聖日曜日(イースターサンデー)・5/1・6/13・12/24・12/25
入場料:10€ 
HP:ジェロニモス修道院公式サイト

ベレンの塔(Torre de Belém)

住所:Torre de Belém 1400-206 Lisboa
営業時間:10:00~17:30(10月~3月) 10:00~18:30(4月~9月)
休館日:月曜日・1/1・聖日曜日(イースターサンデー)・5/1・6/13・12/24・12/25
入場料:6€
HP:ベレンの塔公式サイト

アクセス

アクセス難易度:★☆☆
  ★☆☆…簡単!ポルトガル観光定番スポット
  ★★☆…やや難。大都市からちょっと足を伸ばして
  ★★★…奥地。電車やバスを乗り継いで

リスボン市街地からもアクセス容易な世界遺産ということで、リスボン観光において欠かせないスポットともいえるジェロニモス修道院とベレンの塔。アクセス方法も鉄道、トラム、バスと選択肢は多いので旅行プランに合わせた選択ができます。

速さをとるなら鉄道での移動が断然おすすめ。路面電車独特の風情とともに移動も楽しみたいのであればトラムがおすすめです。

・鉄道:リスボンのカイス・ド・ソドレ(Cais do Sodré)駅からおよそ7分。ベレン(Belém)駅下車

・トラム:15E番線
始発駅リスボンのフィゲイラ広場(Pç. Figueira)からおよそ30分ジェロニモス修道院(Mosteiro Jerónimos)停留所下車
※ベレンの塔はラルゴ・ダ・プリンセサ(Lg. Princesa)停留所下車

・バス:727番, 728番, 729番, 714番, 751番(リスボン市街地からおよそ30分)

観光の所要時間(目安)

・ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos):1~2時間
・ベレンの塔(Torre de Belém):30分~1時間

※入場までの待ち時間は除く

ジェロニモス修道院とベレンの塔の見どころ

ジェロニモス修道院、ベレンの塔ともに見ごたえのある立派な建築物で眺めるだけでも楽しめますが、見どころを押さえておくとよりいっそう満喫できるはず。ここからはふたつの世界遺産の見逃せないポイント紹介です!

ジェロニモス修道院

ジェロニモス修道院は、ポルトガルの大航海時代をけん引したエンリケ航海王子、そしてインド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマの功績を称えて造られた修道院です。16世紀初頭に着工、その後およそ300年もの歳月をかけて建造されました。サンタ・マリア・デ・ベレン王立修道院の別名をもちます。修道院としては1834年にその役割を終えました。

航路開拓がもたらした多額の富が贅沢に注がれた豪華絢爛な姿は、マヌエル様式の建造物の最高傑作ともいわれています。大航海時代、世界を次々と手中に治めたポルトガルの無双ぶりがうかがえる姿が今に残ります。

ジェロニモス修道院の見どころ1:彫刻

ベレン地区にたどり着くと遠目からでもすぐにわかる、青空に映える白く美しいジェロニモス修道院。近くまで来ると写真のフレームに納まりきらないほどのダイナミックさです。白く輝いていた壁面は、近づいて見てみると精巧な彫刻でぎっしりと覆われています。

この彫刻、よくよく見てみるとサンゴ礁や貝殻、地球儀、船、そしてアフリカ、アジアなどの異国の動植物など大航海時代を表すモチーフが多く彫られているのです。この地から世界中に旅立ち、未開の地を切り開いたポルトガルの誇りが彫刻からも伝わりますよ。

ジェロニモス修道院の見どころ2:回廊

ジェロニモス修道院で見逃せないのが、中庭を囲むおよそ55m四方の回廊。薄いベージュ色と中庭の緑の芝生の対比が美しい空間です。回廊とは、修道士たちが祈りや瞑想をしながら歩く場所のことで「地上の楽園」を表すともいわれています。回廊沿いのベンチに腰掛けて当時の修道士がしていたように、瞑想にふけるのもよいですね。

回廊は2階建て構造で、1階と2階で建てられた時代や設計者が異なることから、それぞれの雰囲気も少し違います。1階はディオゴ・ボイタックが、2階はジョアン・デ・カスティーリョが手掛けました。ともに当時のポルトガルで活躍をしていた建築家で、ポルトガル国内のほかの有名建造物の建築にも携わっています。柱ごとに違うデザインの彫刻に注目してみてくださいね。

ジェロニモス修道院の見どころ3:サンタ・マリア教会

ジェロニモス修道院の東側に併設されているのがサンタ・マリア教会。高い天井と美しいステンドグラス、ヤシの木がモチーフになっている柱とアーチ形の天井の彫刻が圧巻の雰囲気を生み出しています。

主祭壇にはジェロニモス修道院を造ったマヌエル1世が眠り、さらにポルトガルを代表する詩人ルイス・デ・カモンイス、そしてヴァスコ・ダ・ガマの棺が安置され、ポルトガルを代表する偉人たちが一堂に会する空間でもあります。

教会は入場無料、修道院に入場する列とは別なので注意しましょう。

ベレンの塔

テージョ川沿いにたたずむおよそ35mのベレンの塔は、気品あるその姿から「テージョ川の貴婦人」と称される建造物です。リスボンの町を敵船の侵入から守る要塞としての役割とともに、長い航海から無事戻ってきた航海士たちがまず目にするふるさとの地のランドマーク的存在でもありました。

建設当初はテージョ川の小さな島に建っていたものの、1755年のリスボン大地震による土地の隆起や、その後の開発により陸続きとなりました。ジェロニモス修道院からは歩いて15分ほどです。

ベレンの塔の見どころ1:塔に登ってみよう

ベレンの塔は、六角形の要塞と6層からなる塔で構成されており、螺旋階段を使って昇り降りをします。この螺旋階段は塔の中で1箇所のみ、一通なので階段入り口の信号に従って交互に昇ったり降りたりします。螺旋階段や塔内部はとても狭く閉鎖的な雰囲気なので、混雑時はかなりの密集度です。

地下(牢獄):潮の満ち引きを利用した水牢。かつての政治犯が多数幽閉されました。
1階-兵器庫:屋外のテラスには航海士の船出を見届ける聖母マリア像がたっています。
2階-国王の間:王家の居住スペースです。
3階-謁見の間:王家が謁見を受けた部屋です。
4階-礼拝堂:この場所で航海の安全を祈りました。
5階-タワーテラス:屋上。かつての見張り櫓(やぐら)が今も残ります。

ベレンの塔の見どころ2:美しい姿を眺めよう

ベレンの塔のその美しさの本骨頂はやはりその外観です。塔のふもとに広がる庭園「トーレ・デ・ベレン庭園(Jardim da Torre de Belém)の芝生に腰掛けて、ベレンの塔とその向こうに広がるテージョ川を眺めるだけの過ごし方もおすすめ。

夕暮れ時は塔の背景が黄金色に染まります。大航海時代からずっと、この景色は変わらないのだと思うと胸が熱くなりますね。夜はライトアップされて幻想的な雰囲気になりますよ。

発見のモニュメントも忘れずに! 

世界遺産には登録はされていないものの、ベレンに来たら見逃せないスポットがもうひとつ。それが「発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)」です。1960年に、エンリケ航海王子の没後500年記念として建てられました。

およそ50mの高さを誇るこの記念碑には世界史でもおなじみの登場人物が勢ぞろい。エンリケ航海王子を先頭に、フランシスコ・ザビエル、ヴァスコ・ダ・ガマ、マゼランなど総勢33名の人物が、過酷な船旅に立ち向かうように同じ方向を見上げる姿は圧巻です。

塔のふもと部分には世界地図とともにポルトガルが世界各地に到達した年号が記されています。そこにはしっかりと日本の地に「1541」の文字。改めて、遠い西の果てからはるばる日本までたどり着いた当時の大船旅ぶりがうかがえますね。

発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)

住所:Av. Brasília 1400-038 Lisboa
開館時間:10:00~19:00
休館日:1/1・5/1・12/25
入場料:6€(展望台込み)
HP:発見のモニュメント公式サイト

【ここに来たらはずせない!】おすすめのお土産・グルメ 

ジェロニモス修道院とベレンの塔に行ったら絶対に食べたい鉄板スイーツがあります。それが、「パスティス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)」のナタ(エッグタルト)。今ではポルトガル全土のカフェにある定番スイーツですが、ここのナタは別格です。

ポルトガル人もお墨付きの絶品ナタはイートイン、テイクアウトともに連日の行列ですが、並ぶ価値大!「ポルトガルNo.1のナタ」と評される味をぜひ味わってくださいね。2~3個はペロリといってしまうおいしさです。

【店舗情報】パスティス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)

住所:Rua de Belém nº 84 a 92, 1300 – 085 Lisboa
営業時間:8:00~20:00(年中無休・祝日短縮営業あり)
HP:Pastéis de Belém公式サイト

スポットマップ

まとめ 

ポルトガルを代表する世界遺産、「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」をご紹介しました。今やリスボン観光では欠かせない必見スポットともいえるベレン地区。大航海時代の面影がつまった建造物の数々に、胸が熱くなることでしょう。絶品ナタとともに、ロマンあふれるベレン地区を味わいつくしてくださいね。

※各施設・店舗の情報は2020年8月の情報です。今後変わる可能性がありますので、最新の情報は公式HPなどでご確認ください。

関連記事

  1. 歴史と復興の町―アソーレス諸島のアングラ・ド・エロイズモ

  2. 世界遺産の町シントラ-風光明媚な景観の中にある個性的な建造物たち

  3. テンプル騎士団の町トマールのキリスト教修道院を一挙見せ!

  4. comboio

    ポルトガルの鉄道旅行ガイド!ポルトガル鉄道CPに乗ってみよう

  5. ポルトガル音楽のファドってなに?楽しみ方から有名歌手も紹介!

  6. ポルトガル皿

    きっとあなたも欲しくなる。今注目のポルトガル食器ブランド5選

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 「そうだ!ポルトガルへ行こう」開催します! 

    2023.07.03

  2. ゆったり巡る、充実のポルトガル10日間

    2022.12.24

  3. 見所だけ!ポルトガルの魅力をぎゅっと詰めた6日間(コーディネータ…

    2022.12.24

  4. 定番!ポルトガルハイライト8日間(コーディネーター同行プラン)

    2022.12.24

  5. 太陽降り注ぐリゾート地カスカイスー漁師町の面影と美しいビーチを…

    2022.10.05

  1. ハリポタファンも必見!“世界一美しい本屋”のレロ書店

  2. ポルトガルは石鹸大国!おしゃれでお土産にもオススメのブランド7選

  3. ポルトガルにある17の世界遺産すべて紹介!次の世界遺産候補も

  4. 「そうだ!ポルトガルへ行こう」開催します! 

  5. ポルトガルはビールも外せない!有名2大ブランドも詳しく紹介

Instagram

カートに追加しました。

お買い物カゴ

×

カートは空です

    Loading...
    カートに戻る

    チェックアウト

    住所とお支払い情報を入力してください。

    住所・お支払い情報

    支払情報


    または

    ご注文いただきありがとうございます!

    メールアドレスに領収書を送信しました。商品到着まで、今しばらくお待ちください。

    支払いに失敗しました。

    支払いが完了できなかったようですう。もう一度やり直すか、別のカードを試してください。

    Powered by WP Stripe Cart.