ポルトガルの必食スイーツ「エッグタルト」を知ろう!味わおう!

ポルトガルの「エッグタルト」=「パステル・デ・ナタ」は、数あるポルトガル菓子のなかでも、特に人気の存在です。ポルトガルに行ったら、本場のおいしいエッグタルトを食べたい、人気のお店に行きたい!と期待が膨らみますよね。

今回は、この人気のお菓子の特徴や歴史、現地のおすすめのお店から、日本にいながらポルトガルのエッグタルトが食べられるお店までご紹介します!

ポルトガルのエッグタルトってどんなお菓子?

甘いもの好きには見逃せない、外国のスイーツ事情。ポルトガルはスイーツ好きなあなたもきっと大満足の、甘いものの宝庫です。

そんな充実したポルトガル菓子のラインナップのなかでも、特に人気のスイーツが「エッグタルト」。ポルトガルでは「パステル・デ・ナタ」(Pastel de Nata=Pastelは焼き菓子やパイ、Nataはクリームを意味します)、またはシンプルに「ナタ」と呼ばれています。

パステル・デ・ナタは、ポルトガル国内では地域問わずどこでも食べられる国民的スイーツです。2011年には「7 Maravilhas Gastronómicas de Portugal」(ポルトガルを代表する7つの絶品グルメ)にも選出されました。

「ナタ」と一言で言っても、その味わいはさまざまです。パイ生地は、薄さと硬さ(パリッとタイプか、またはふわっと柔らかいタイプか)、そして塩加減がポイント。クリームもまた、プルプル固いタイプと、とろりとした柔らかいタイプに分かれるほか、甘さ加減、卵の風味などが違いを生み出します。さらに焼き加減も、焦げ目のほとんどついていない鮮やかな黄色い見た目から、こんがりとした焦げ目がついた香ばしい見た目のナタまでまちまち。

ナタを愛する現地の友人曰く、“おいしいナタに一番大切なことは、パイ生地とクリームのバランスがとれていること”なのだそう。ポルトガルの人々におすすめのナタを聞いたら、きっとそれぞれの「推し」のナタを教えてくれるでしょう。

そのまま食べてももちろんおいしいですが、卓上に置いてある粉砂糖とシナモンをたっぷりと振りかけて食べると、また少し違った風味が味わえますよ。大きすぎないサイズ感、そして甘さも控えめなこのお菓子は、海外の甘すぎるお菓子はちょっと苦手…という方にもおすすめです。

ポルトガルのエッグタルトはどうやって生まれたの?

ナタはほかのたくさんのポルトガルのお菓子同様、修道院が発祥のお菓子です。ナタの発祥地は、世界遺産スポットとしても有名なベレンの「ジェロニモス修道院」。まずは修道院菓子が生まれた背景を少し説明します。

かつて、修道院で暮らす人々は衣服やシーツの糊付けを卵白で行っていました。大量の卵黄が余ってしまってもったいない…そこで考え出されたのが、卵黄をたっぷり使ったお菓子でした。ポルトガルのバラエティ豊かなお菓子の多くが鮮やかな黄色をしているのは、卵黄を多く用いた修道院菓子を起源としているからなのです。

さて、ジェロニモス修道院で暮らす人々に一大事が起こります。1820年、ポルトガル国内で起こった自由主義革命により、国内の修道院が一斉に閉鎖に追い込まれる事態に。ジェロニモス修道院で生活をしていた多くの修道士・修道女たちもまた、行き場を失ってしまったのです。これからどうやって暮らしを立てていけば良いのか…そこで考え出されたのが、修道院で作っていた修道院菓子のナタを売るという手法でした。

彼らはジェロニモス修道院のすぐそばで、ナタの販売を開始。国内外の人々の行き来が多いエリアだったこともあり、たちまちナタは人気を博し、ポルトガルを代表するお菓子へと成長を遂げたのです。ナタは修道院で暮らす人々の生活の工夫から生まれ、そして職を失った修道士たちの生活を救った存在ともいえるでしょう。

マカオの「エッグタルト」と違うの?

ポルトガルの「ナタ」は初めて聞いたとしても、「エッグタルト」という名前のお菓子を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。日本で一時期流行ったエッグタルトは、マカオのお菓子として紹介されることがほとんどでした。マカオはかつてのポルトガルの植民地。ポルトガルからナタがマカオへ伝えられ、マカオのエッグタルトとして日本にやってきたのです。

ポルトガルのナタは高温・短時間で焼き上げるため、パリッ・サクッとしたパイ生地にトロトロのクリームが特徴。一方、マカオではイギリス風のお菓子と融合したことで、しっかりと火を通したカスタードクリームとビスケット生地が特徴のエッグタルトが完成しました。日本に入ってきた当初のエッグタルトは、このマカオタイプのものが主流だったのです。

近年はパリッとパイ生地ベースの、ポルトガルタイプの「ナタ」のお店も増えてきています。日本で食べられるナタのお店については、記事の後半でご紹介します。

お土産にできる?

ナタは旅行中に食べたいお菓子のひとつであることはもちろん、お気に入りのお店のナタを日本に持って帰りたい!と思うかもしれませんね。ナタはお持ち帰りOK、お店によっては専用のお持ち帰りパックを用意しているところもあります。

ですが、ナタ自体は長持ちするお菓子とはいえません。とくに暑い季節は要注意。とても崩れやすいお菓子でもあるので、お土産にするのはあまりおすすめできません。もしも日本に持ち帰るのであれば、帰国ギリギリのタイミングにしましょう。

ポルトガルで人気の「ナタ」専門店

ここからは、ポルトガルにあるナタ専門店の中でも特に人気のお店4つをご紹介!リスボンやポルトなどの大きな都市では、複数のナタを食べ比べてみるのも楽しいですよ。

パスティス・デ・ベレン(Pastéis de Belém)

先ほどご紹介した、ナタ発祥のお店です。ポルトガルのナタの中でも、鉄板中の鉄板。ポルトガルの人々におすすめのナタを聞くと、外せない存在としてまずに名前があがることがほとんどです。

ここのナタは「パスティス・デ・ベレン」の名で呼ばれ、この場所でしか食べられないので特別感があります。 発祥当時から続くナタのレシピは門外不出。現在もナタ職人のなかでも限られた数名しかレシピを知りません。 ポルトガルNo.1のナタ、とも言われる評判を聞き、その味を求めて今では数多くの観光客が訪れる超人気店。イートイン、テイクアウトともに長蛇の列ができることも珍しくありませんが、ともに回転は速いです。

お客さんがひっきりなしにパスティス・デ・ベレンを注文し、次々と焼き上げられるので、焼きたてを味わえるチャンスが多いのも魅力。クリームは甘さ控えめで、歯ごたえのあるパリパリ硬めのパイ生地が特徴です。ベレンの世界遺産を訪れる際は見逃せない人気スポットです。

ベレンへの行き方はこちらをチェック!→「大航海時代のロマンここにあり-ジェロニモス修道院とベレンの塔

店舗情報
HP:Pastéis de Belém公式サイト
住所:Rua de Belém nº 84 a 92, 1300 – 085 Lisboa
営業時間:8:00~21:00
定休日:なし(クリスマスと年末年始は19:00閉店)

マンテイガリアManteigaria)

スタイリッシュな店内がモダンな雰囲気のマンテイガリアは、フードメニューはナタのみ、という潔さが特徴。「Manteigaria=バター屋さん」という店名から分かる通り、もとはバター専門店でした。そんなお店がつくるナタには、パイ生地にたっぷりのバターを使用。さらにクリームにはレモン果汁が入っているので、ほのかに酸味の感じられる爽やかな風味が特徴です。

テイクアウトメイン、カウンターのみのお店から、広々イートインコーナーが設けれたお店など、リスボン・ポルト合わせて5店舗展開されています。

店舗情報
HP:Manteigaria公式Facebookページ
リスボンに3店舗(Chiado・TimeOut Market・Rua Augusta)
ポルトに2店舗(Rua dos Clérigos・Mercado do Bolhão)

ナタ・リスボア(NATA LISBOA)

「THE WORLD NEEDS NATA」(世界はナタを必要としている!)がキャッチコピーのこちらのナタ専門店は、ポルトガル国内の全25店舗のほか、世界にも展開しています。店舗数の多さは群を抜いているので、一番アクセスしやすいナタ専門店ともいえるでしょう。

ポルトガルの友人にお気に入りのナタ専門店を尋ねると、このお店が挙がることもしばしば。「パスティス・デ・ベレンは圧倒的No.1だけど、NATA LISBOAはそのパスティス・デ・ベレンに一番近いナタ」という意見も聞かれました。

店舗情報
HP:NATA LISBOA公式サイト
ポルトガル国内に全27店舗展開(リスボン・ポルト・コインブラ・ブラガ・エヴォラ・ナザレ・ファロなど)

ファブリカ・ダ・ナタ(Fábrica da Nata)

「ナタ工場」を意味する名前のファブリカ・ド・ナタは、ガラス越しにナタをつくる様子が見られるのがポイント。テーマパークにあるお店のような、どこかファンタジックな雰囲気の店内は、ソファー席も設けられているのでゆっくり寛ぐにもぴったりの空間です。

ポートワインとナタのお得なセット(2,50 €)のほか、サンドイッチなどの軽食類も充実しているので、朝ごはんやお昼ごはんにも便利なお店です。

店舗情報
HP:Fábrica da Nata公式サイト
リスボンに2店舗(Praça dos Restauradores・Rua Augusta)
ポルトに2店舗(Santa Catarina・Praça Almeida Garret)
シントラに1店舗(Praça da República)

日本で味わうポルトガルのエッグタルト

嬉しいことに、最近は日本にいながらポルトガルのエッグタルトを食べられるお店も増えてきました。以下は東京都内のナタ専門店、ポルトガル菓子専門店を中心にご紹介します。ネット販売も行ってるお店もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ナタ・デ・クリスチアノ(NATA de Cristiano)
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-14-16スタンフォードコート103
最寄り駅:代々木公園駅・代々木八幡駅
HP:NATA de Cristiano公式サイト

ドース・イスピーガ(DOCE ESPIGA)
住所:東京都千代田区神田小川町3-2-5
最寄り駅:小川町駅
HP: DOCE ESPIGA公式Facebookページ

カステラ ド パウロ(Castella do Paulo)
住所:京都市上京区御前通今小路上る馬喰町897蔵A
最寄り駅:北野白梅町駅
HP: Castella do Paulo公式サイト

ボア・ナタ(BOA NATA)
住所:東京都中央区新川1-28-33 Glanffice茅場町 1F
最寄り駅:八丁堀駅
HP:BOA NATA 公式サイト

eggtart echika 表参道
住所:東京都港区北青山3-6-12 Echika表参道 B1F
最寄り駅:表参道駅
HP:eggcellent公式サイト

アレンテジャーナ(Alentejana)
住所:長野県松本市大手4-3 ナワテ通り
最寄り駅:松本駅
HP:Alentejana公式Facebookページ

まとめ

ナタ専門店はもちろん、ちいさなカフェやスーパーでも気軽に買えるポルトガルのエッグタルト。ひとつ1€ちょっと、という手ごろな価格も嬉しいですよね。2個3個食べても飽きのこないおいしさで、きっとあなたも忘れられないポルトガルのスイーツになるでしょう。

ポルトガルのエッグタルトが気になったら、まずは日本でポルトガル気分が味わえるナタ専門店へ足を運んでみるのもおすすめです。

関連記事

  1. 大航海時代のロマンここにあり-ジェロニモス修道院とベレンの塔

  2. 金平糖

    甘くてかわいい金平糖。ルーツはポルトガルって知ってた?

  3. ポルトガルで一番カラフルな町!写真映え抜群のアゲダの傘祭り

  4. ちいさな町中に忽然と現れる巨大宮殿!世界遺産マフラ

  5. 6月はイワシ祭りを楽しもう!サント・アントニオ祭 -リスボン-

  6. 見所だけ!ポルトガルの魅力をぎゅっと詰めた6日間(コーディネーター同行プラン)

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 「そうだ!ポルトガルへ行こう」開催します! 

    2023.07.03

  2. ゆったり巡る、充実のポルトガル10日間

    2022.12.24

  3. 見所だけ!ポルトガルの魅力をぎゅっと詰めた6日間(コーディネータ…

    2022.12.24

  4. 定番!ポルトガルハイライト8日間(コーディネーター同行プラン)

    2022.12.24

  5. 太陽降り注ぐリゾート地カスカイスー漁師町の面影と美しいビーチを…

    2022.10.05

  1. ポルトガルの歴史③~スペイン併合からブラジルの独立まで~

  2. ポルトガルのシンボル&愛されマスコット「ガロ」のあれこれ

  3. ポルトガルの歴史④~王政の終焉とサラザール時代~

  4. ポルトガル 缶詰

    缶詰大国ポルトガル!驚きのバリエーションとお洒落なデザインに注目

  5. camelia

    ポルトガルにもツバキがある!ツバキが主役のブティックホテルもご…

Instagram

カートに追加しました。

お買い物カゴ

×

カートは空です

    Loading...
    カートに戻る

    チェックアウト

    住所とお支払い情報を入力してください。

    住所・お支払い情報

    支払情報


    または

    ご注文いただきありがとうございます!

    メールアドレスに領収書を送信しました。商品到着まで、今しばらくお待ちください。

    支払いに失敗しました。

    支払いが完了できなかったようですう。もう一度やり直すか、別のカードを試してください。

    Powered by WP Stripe Cart.