ポルトガル人とポルトガル方式での婚姻!手続き当日はどんなことをするのでしょうか。
婚姻手続きについて、事前準備は記事『ポルトガル人と国際結婚!どんな手続きが必要なの?』にてご紹介しました。 戸籍登録保存所(Conservatória do Registo Civil)での申請までの手続きについてはそちらの記事を見てくださいね。
申請が認められたら、いよいよ手続き当日です!予約の日時に遅れないよう戸籍登録保存所へ向かいましょう。
この記事では、ポルトガル方式による婚姻手続き当日についてご紹介したいと思います。
※2018年~2020年時点のポルトガル式での婚姻の経験なので、最新の情報は在ポルトガル大使館などの公式な情報も必ず確認するようにしてくださいね。
予約した日時に戸籍登録保存所へ
アポイントの当日、戸籍登録保存所へ遅れないように向かいます。
この時、新郎新婦の身元が公的な身分証明書類で確認できる場合は、証人に来てもらう必要はありません。もしポルトガル語を話さない場合は、ポルトガル語⇒日本語またはポルトガル語⇒英語の通訳をつけるよう指示されます。
また、私たちは夫の家族(両親と姉家族)に一緒にいてもらいたかったので、予約をした際に事前に招待する人数を伝えておきました。私たち夫婦含め8人でしたが、快く受け入れてもらいました。
予約した時間から遅れること30分後、奥の部屋へ通されました。
⼾籍登録保存所所⻑と新郎新婦が向き合うようにテーブルにつきます。
ここで所⻑から結婚についてのアドバイス、婚姻の内容(主に申請内容の確認と財産制度の選択)について説明があります。おおよそ15分くらいです。
一番大事なのが財産制度の選択です。パートナーと事前にしっかり話し合い、婚姻当日までに決めておきましょう。
3つの財産制度
婚姻をする際に、下記の3つの中から1つ選択する必要があります。
- Comunhão de adquiridos
- Comunhão geral
- Separação
Comunhão de adquiridos とは、婚姻前に各々が築いた資産も含め、婚姻後に取得する資産もすべてを夫婦が共有する選択です。つまり細かく言うと、結婚する前までの自分の貯金なども、すべて二人のものとなるイメージです。
Comunhão geral とは、婚姻後に取得するすべての資産を夫婦の共通の資産としてみなす選択です。婚姻前に築いた資産については、共有しないことになります。例えば、結婚する前までの貯金は自分のもの、結婚した後に稼いだ給与は二人のものになります。
Separaçãoとは、婚姻前・婚姻後に関わらず、各々が持つ資産について共有しない選択です。新郎新婦のどちらかが60歳以上の場合は、強制的にこちらの選択肢となります。財産目当ての結婚がしにくい法律になっているんですね。
なお、本人たちの希望により法律の範囲内であれば上記3つの選択肢以外にも指定することができるようです。
この財産制度は離婚となったときに重要になってくるので、お互いが納得できる選択肢を選びましょう。
結婚する際に離婚のことを考えるのはちょっと気が進まないですが、大事なことですし、夫婦の将来についてしっかり話し合う良い機会となります。特に国際結婚では文化の違いにより、自分にとっての常識がパートナーにとっては非常識、ということもあるので、こんなことまで?と思うこともきちんと言葉にして話しましょう。
婚姻手続きでは、この制度と各選択肢について一通り説明があったうえで、 ⼾籍登録保存所所⻑へ夫婦の意思を伝えます。
誓いの言葉
申請内容の確認と財産制度の選択が終わると、この婚姻に異議がある人がいるか参加者に問います。
そして、誰からも異議がなければ、いよいよ誓いの言葉です!
ポルトガル語で決まった言い方があるので、あらかじめ覚えておきましょう。
⼾籍登録保存所所⻑: ○○(新郎の名前), aceita ○○(新婦の名前)como sua consorte? あなたは○○(新婦)をあなたの妻としますか?
新郎: É de minha livre vontade casar com ○○(新婦の名前).
⼾籍登録保存所所⻑: ○○(新郎の名前), aceita ○○(新婦の名前)como seu consorte ? あなたは○○(新郎)をあなたの夫としますか ?
新婦: É de minha livre vontade casar com ○○(新郎の名前) .
この時に結婚指輪を持っている場合は、指輪交換をすることもできます。
また、書類に署名は必要ないようですが、形として婚姻証明書のコピーに新郎新婦・参加者が署名をするカップルが多いようで、私たちも思い出としてそうしました。
指輪交換と署名が終わると所長より、
⼾籍登録保存所所⻑: Em nome da Lei e da República Portuguesa, declaro ○○(新郎の名前) e ○○(新婦の名前)unidos pelo casamento. ポルトガル共和国の法律の下、二人を夫婦と認めます。
と、言葉をもらい、 無事⼾籍登録保存所での婚姻手続きは終わりました。
午前中の予約だったので、私たちはそのまま家族でお祝いランチへ向かいました。
日本への婚姻届提出・ポルトガルでの居住証申請をお忘れなく!
さて、無事婚姻手続きが完了し、一安心。と言いたいところですが、ここから各方面への手続きが始まります。
パートナーに協力してもらいながら、漏れのないように進めていきましょう。
日本への婚姻届提出
まず、日本への婚姻届けの提出ですが、
日本の本籍地の市町村役場に直接提出する方法と在ポルトガル日本国大使館へ提出する方法があります。
婚姻後3か月以内に提出しなければいけないので、自分の都合に合う方法で手続きしましょう。
私は、 在ポルトガル日本国大使館へ提出する方法 で提出しました。
この時に必要な書類は下記のとおりです。
- 婚姻届申出書(大使館HPからダウンロード) 2通
- 日本人配偶者の戸籍謄(抄)本 1通
- ポルトガル戸籍登録保存所発行の婚姻証明書の原本及び同和訳文
- 外国人配偶者の国籍を証明する公的書類(身分証又は旅券)及び同和訳文
和訳文は大使館のHPに例が掲載されているので、そちらを参考に自分でワードを使い作成しました。
大使館に出向くことができない場合は郵送でも受け付けてもらえます。私も郵送にて提出しました。
この時、婚姻届けはA3で印刷する必要があるので注意してくださいね。押印も必要なので印鑑も日本から持ってきておくとよいでしょう。印鑑がない場合は、赤インクを使って拇印(右手の親指)することでもOKのようです。
提出書類は事前に領事部にメールで確認しておくと、安心です。私はとても丁寧に対応してもらいました。
詳しくは、大使館のHPをご参考にしてください。
居住証申請
ポルトガルに3か月以上滞在するには、たとえポルトガル人と婚姻したとしても、 居住証 (Título de Residência) が必要になります。
これは、外国人・国境局(SEF-Serviço dos Estrangeiros e Fronteiras)で申請を行います。
ポルトガルで3か月以上滞在されたことがある方はご存知かと思いますが、SEFでの手続きには大変時間がかかります。とにかく忍耐力が必要なので、婚姻後、早めに手続きを始めましょう。
SEFで手続きするために、電話またはインターネット上での予約が必要になります。
私は最初に最寄りのSEFへ電話して予約を入れようとしたところ、3か月先まで予約が取れないと言われてしまいました。ほかの人の予約がキャンセルになることもあるから、電話し続ければ早めの日程も取れるかも、とのことで、しばらく毎日のように電話をし続けましたが、予約が取れないどころか電話さえ繋がらないこともしばしば。
そこで、最寄り以外のSEFにいくつか電話したところ、アソーレス(Açores)とカシュテロ・ブランコ(Castelo Branco)で1週間後に空きがあるとのこと。アソーレスへの小トリップもいいなぁ~とも思ったのですが、時間と予算の関係、また書類不備で出戻りとなった場合のことを考えて、車で行けるカシュテロ・ブランコへ。
ここで必要になった書類は、下記の通りです。
- 自身のパスポート
- ポルトガル人配偶者の身分証明書
- ポルトガル戸籍登録保存所発行の婚姻証明書
- ポルトガルで暮らしていくために十分な資金があることの証明
- 申請料金
ただ、必要書類については、
正直担当者によって言うことがまちまち、というポルトガルあるあるなので、あくまでもご参考までに。
最後の資金の証明は自身の銀行残高証明書でもパートナーのものでもOKです。残高っていくらあればいいのだろう・・・とドキドキしながら聞いたところ、3000ユーロくらいあれば十分よ!と言われました。これも担当者により言うことが違うと思うので、予約をする際に確認しておくことをお勧めします。
証明写真はSEFで撮影してくれるので用意する必要はありません。
以上、必要書類をそろえておけば、当日の申請手続きはスムーズに進みます。だいたい30分ほどです。ただし混んでいるSEFの場合は予約時間に呼ばれないことも。呼ばれるまでに時間がかかることもあるので、できれば予約は朝の早い時間にとる方がいいでしょう。
居住証は早くて1週間、3か月以内には発行されますが、SEFに取りに行けない場合は送料を支払っておくことで自宅へ郵送してもらえます。この 居住証は原則5年間有効です。
まとめ
今回は婚姻手続き当日とその後の手続きについてご紹介しました。ポルトガル式で民事婚をされる場合にご参考にしてください。私はカトリック教徒ではないので教会での結婚は選択肢にありませんでしたが、教会で婚姻する場合は、また手続きが変わってくるかと思いますので、パートナーと相談しながら進めてくださいね。
次回は婚姻後に氏を変更する場合の手続きについてご紹介します。
この記事へのコメントはありません。