「ずっと前から、ポルトガルが気になっていた…」「前に数日間訪れたけど、もっとゆっくりポルトガルを回りたい…」
ポルトガルに特別な思いを抱くあなたに。
この記事では、ポルトガルを10泊12日で巡れる充実モデルコースをご紹介!さらにお休みがとれた場合の、島旅プランもご提案します。
ポルトガルをとことん楽しむ!10泊12日のモデルコース
フライト情報
【行き】 イベリア航空利用
成田夜発・リスボン午前中到着(スペイン・マドリッドでの乗り継ぎ含めておよそ18時間30分)
【帰り】 イベリア航空利用
ポルトお昼発・成田午後着(スペイン・マドリッドでの乗り継ぎ含めておよそ18時間)
※航空会社のスケジュールは変更することがあります。
【1日目】リスボン到着(午前中)
旅のスタートはポルトガルの首都、リスボンから。お昼にはリスボン市街地へ着けるフライトです。ホテルに荷物を置いたらまずはランチで一息つきながら、午後のプランを練りましょう。
リスボン初めてさんは王道のサン・ジョルジェ城やリスボン大聖堂、サンタ・ジュスタのエレベーターなどを回りたいですね。リスボンはもう一度来たことがある!というあなたはちょっとひねりを利かせた観光地へ。
リスボンの泥棒市(Feira da Ladra)
もしもリスボン着が火曜日か土曜日なら、サンタ・クララ広場で開催される泥棒市がおすすめ。味のある骨とう品から、これが売り物?と思ってしまうようなガラクタ風の商品まで広場いっぱいに並べられています。お店の人とのやりとりを楽しみながら、とっておきのお土産に出会えるかもしれませんよ。
対岸の町・カシーリャス(Cacilhas)
夜はリスボンからテージョ川を挟んだ対岸の町、カシーリャスへフェリーで渡りましょう。フェリーは地元の人々の移動手段でもあるので、頻繁に行き来しています。リスボンのカイス・ド・ソドレ港から15分ほどで到着。カシーリャスの港近くには新鮮なシーフードのレストランが並びます。対岸のリスボンの町が夕日で赤く染まるのを眺めながら、テラス席でシーフード料理に舌鼓をうちましょう。
【2日目】シントラ(Sintra)
この日はシントラへの日帰り旅行です。ロカ岬とセットで訪れるコースが定番ですが、シントラには1日でも見切れないほどの見どころがたくさん。今回は、1日使ってシントラを回りましょう。リスボンから電車でおよそ40分で到着です。
個性的な宮殿や歴史ある城壁があるシントラは、それぞれの観光スポットが離れた位置にあるため、バスを利用して回ります。お得な周遊チケットも販売されているので上手に活用したいですね。
まずは、バスに乗ってペーナ宮殿へ。ここへ向かうバスの停留所とペーナ宮殿への入場は、遅くなればなるほど行列になるので、なるべく早めにペーナ宮殿に着くことをおすすめします。
ペーナ宮殿はカラフルな壁の色がなんともメルヘンでおもちゃのお城のよう。かと思いきや、アラブ色の強い装飾があったり、外観の印象と不釣り合いにも見えるような豪華絢爛な部屋が広がっていたりと、さまざまな様式が混在している統一感のない個性がまた魅力でもあります。
ペーナ宮殿を回ったあとは、かつてイベリア半島を支配したムーア人が建設したムーアの城壁からシントラの絶景を見渡します。バスで再び駅方面に戻り、ランチを食べたら次はレガレイラ宮殿へ向かいましょう。
レガレイラ宮殿は、わたしたちが「宮殿」と聞いてイメージする空間とは少し違う、まるでダンジョンのような空間。冒険心がかき立てられる広い庭園をもつレガレイラ宮殿は、「魔宮」とも呼ばれています。のぞき込むと吸い込まれそうな大井戸から、真っ暗闇でどこに続くのかわからない洞窟、池の中の飛び石など、冒険者の気分で散策を楽しみましょう。
シントラについてもっと詳しく!→「世界遺産の町シントラの見どころ&回り方」
【3日目】エヴォラ(Evora)
ポルトガル旅行3日目はリスボンから東のスペイン方面へと進んだところにある、アレンテージョ地方の中心都市、エヴォラへと向かいます。
リスボンから電車またはバスでおよそ1時間30分~2時間。エヴォラは、城壁に囲まれた旧市街エリアが「エヴォラ歴史地区」として世界遺産に登録されています。歴史を感じる白い壁の建物が並ぶ路地の散策から始めましょう。
エヴォラの見どころのひとつ、「カテドラル」は実は日本ともゆかりの深いスポット。16世紀に日本から派遣された大正遣欧少年使節団がヨーロッパに無事到着後、ローマまでの道のりの過程でエヴォラにも立ち寄り、このカテドラルにあるパイプオルガンを演奏したと言われているのです。はるか昔、日本人が長い船旅の末にこの場へたどり着いたのかと思うと、ロマンを感じますね。
エヴォラでもうひとつ忘れてはならないのが、「ディアナ神殿」。さきほどのカテドラルのすぐ正面にそびえたつ、2~3世紀に建てられた古代ローマ時代の遺跡です。はるか昔のローマ時代の建造物から中世の建造物まで、時代を越えてその姿を今に残すエヴォラの町並み。ポルトガルの地が歩んできた歴史を感じるのにはぴったりの場所ですね。
エヴォラについてもっと詳しく!→「町全体が博物館!世界遺産エヴォラ歴史地区」
【4日目】モンサラーシュ(Monsaraz)
エヴォラで1泊した翌日は、バスを乗り継いでさらに内陸方面、スペインの国境近くにある村、モンサラーシュへ向かいます。
モンサラーシュへは、「ヘゲンゴシュ・モンサラーシュ」という町を経由していくことになります。バスの本数は一日数本ほどと、とても少ないので計画的に移動しましょう。ヘゲンゴシュ・モンサラーシュからはタクシーでモンサラーシュへと向かう方が時間を効率的に使えるでしょう(およそ15分)。
モンサラーシュは「沈黙の音が聞こえる村」のキャッチコピーで有名になった村。あの消臭力のCMでミゲル君が熱唱した地でもあります。少し小高い丘の上にある村なので、はるか遠くまで広がるアレンテージョの大地と、その先のスペインが見渡せます。
沈黙の音が聞くために、日が陰り始めたころから日暮れまでの時間、耳を澄ましてみてください。大地を吹いていた風がふっと止まり、ツバメが鳴き止んだ瞬間に沈黙の音を感じるはずです。さまざまな音にあふれた日常ですが、モンサラーシュの静けさの中に身をおくと、いつもは気づくことのなかったささやかな音も感じるようになりますよ。
夜もまた、漆黒の空と淡く照らされたオレンジの村が幻想的。ポルトガルの村の魅力はここにあり!ですね。
【5日目】モンサント(Monsanto)
モンサラーシュの静かで清々しい朝を迎えた5日目は、ポルトガルの内陸を北へ進みましょう。移動が長くなる一日なので、小腹が空いたときのおやつは忘れずに。
向かうのは「石の村」、モンサント。まずはエヴォラまで来た経路を戻り、そこからカステロ・ブランコまでバスで2時間半ほど、広大な自然が広がる景色の中を進みます。カステロ・ブランコからはタクシーに乗り換えてさらに1時間ほど。丘の上に小さな村が見え始めたら、モンサントまでもうすぐです。
「もっともポルトガルらしい村」と呼ばれることもあるモンサントは、巨石と家が共存した不思議な村。壁の一部に石が埋まっていたり、屋根の上にのっかっているような巨石があったりと、小さな村ですがびっくりするような景色と巨石のパワーにあふれています。長い道のりではありますが、ポルトガル好きであれば一度は訪れたい村ですね。
モンサラーシュが優しく穏やかな静けさだったのに対して、モンサントは巨石が生み出す、どこか神聖な雰囲気ただよう静けさを感じることでしょう。モンサントは少し小高い丘の上にあるので、条件がそろえば明け方に雲海が見られることも。早起きして外散歩をしてみても気持ちいいですよ。
【6日目】ヴィゼウ(Viseu)
6日目は、さらに北部の町、ヴィゼウに向かいます。カステロ・ブランコまでタクシーで戻り、バスに乗り換えておよそ3時間で到着です。
ポルトガル・ダォン地方の中心都市、ヴィゼウは古代ローマ時代までその町の名前の由来がさかのぼる歴史ある町。聞いたことがないというあなたも、文豪の檀一雄が愛したダォンワインの生産地の中心都市と言えばピンとくるのではないでしょうか。
歴史を感じる重厚感のある建造物や味のある路地を巡りながら、ダォンワインを飲んで一息。旅の前半の思い出を振り返りながら、元気もチャージしていきましょう。
【7日目】ポルト(Porto)
内陸の小さな町や村をたどる旅が続いていましたが、7日目はポルトガル第2の都市、ポルトへ行きましょう。ヴィゼウからはバスでおよそ2時間の旅です。午前中に出発してお昼に到着。ホテルへ荷物を置いてさっそくランチです。ポルト名物のフランセジーニャを食べながら、ポルトの旅行プランを練りましょう。
ポルト初めてさんはサン・ベント駅やポルト大聖堂などは外せません。
マトジーニョシュ(Matosinhos)
ポルトを既に訪れたことがあるあなたには、バスまたはメトロで行ける隣町のマトジーニョシュがおすすめ。バスの路線次第では、スペインを源流とするドウロ川が、ポルトガルを横断して大西洋に注ぐ様子が見られるスポットも立ち寄ることができますよ。
ずっと内陸を辿る旅だったので、ここでやっと大西洋とご対面です。マトジーニョシュはたくさんのポルトっ子が訪れるビーチスポット。心地よい波の音を聞きながら、大西洋に沈む夕日を見届けたいですね。
夜ご飯はぜひ港町マトジーニョシュの繁華街へ。たくさんのシーフードレストランが並ぶ通りは海の香りと魚を炭火焼きする煙で満たされています。新鮮な魚介にわたしたちの胃袋も大喜び間違いなしですね!
【8日目】ドウロ上流
7日目はポルトを流れるドウロ川を上流へと向かい、ポートワインの生産地ドウロ地区へ行きましょう。
鉄道、バス、フェリーなどいくつか交通手段はありますが、おすすめは行きがフェリー、帰りが鉄道の日帰りツアー。午前中にポルト市内をフェリーで出発、船内でおやつや朝食をいただきながら美しいぶどうの段々畑を眺めるクルーズです。時間を忘れてどこまでも続くぶどう畑と穏やかなドウロ川にたそがれてしまうことでしょう。
フェリーの目的地はレグアです。帰りの電車の時間まで、思い思いに過ごしましょう。ポートワイン博物館や、町中を走るトロッコ列車が代表的なスポットです。もちろん本場のポートワインを味わうべく、ワインバーやレストランをハシゴするのもよいですね。
帰りの電車もしばらくはドウロ川沿いを走ります。季節次第ではちょうど日暮れの時間帯。川も段々畑も、黄金色に光り輝く車窓を眺めながらの2時間ほどの列車の旅です。
ドウロ地区についてもっと詳しく!→「ポートワインはここで生まれる!アルト・ドウロ・ワイン生産地域」
【9日目】ポルト
旅も後半、少し疲れも出始める頃かもしれません。この日は休息日としてポルトでゆっくり過ごすのもよし、まだまだ元気!というあなたは日帰りで行けるブラガやギマランイスなどの北部の観光スポットへ足を伸ばすのもよいですね。
ブラガについてはこちら!→「ジグザグの白い階段が圧巻!ブラガの世界遺産ボン・ジェズス」
ギマランイスについてはこちら!→「ポルトガル始まりの地・世界遺産ギマランイス」
今日はゆっくりしたい…。そんなあなたにおすすめなのがポルトの対岸、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアにあるジャルディン・ド・モーロ(Jardim do Morro)です。
ポルトのシンボル、ドン・ルイス1世橋の上層階を渡った先、右手にある小高い丘はポルトの歴史地区が一望できる絶景スポット。ポルトの町とドウロ川に面して設けられている段々の芝生に腰かけて、ぼぅっとポルトの風景を眺める1日にするのもよいですね。
【10日目】ビアナ・ド・カシュテロ(Viana do Castelo)
ポンテ・デ・リマ(Ponte de Lima)
いよいよ旅の終盤。リスボンから北部へ進んでポルトへ来ましたが、今日はさらにそのまた北へと向かいます。
まずはポルトから電車で1時間半~2時間の港町ヴィアナ・ド・カシュテロへ。丘の上にそびえるサンタ・ルジア教会がメインスポットです。ケーブルカーで登ることもできますが、元気があったらぜひ歩いて登ってみてください。登り切った先からは、それまでの疲れが吹き飛ぶ光景が見られますよ。
ビアナ・ド・カシュテロ市内を流れるリマ川を、内陸に向けてバスで40分ほど進んだ先にあるのがポンテ・デ・リマです。穏やかな川と、古代ローマ時代に造られたリマ橋が町の象徴。
ポンテ・デ・リマは、ポルトガル名物の緑ワイン、ヴィーニョ・ヴェルデの産地でもあります。派手さはないけれど、どの光景を見ても落ち着く町。テラスでヴィーニョ・ヴェルデを飲みながら、ただ川の流れを眺める過ごし方も乙ですね。
【11日目】ポルト(帰国日)
充実の10日間の旅もいよいよ帰国日となりました。ポルトの市内からメトロ1本で行けるフランシスコ・サ・カルネイロ空港からマドリッド経由のフライトです。
空港行きの本数は限られるので、時間に余裕をもって空港へ向かいましょう。時間があったら空港でラスト・ナタ(エッグタルト)を味わいながら旅の余韻に浸るのもよいですね。またポルトガルに来られる日が訪れることを願いながらの、帰りのフライトです。
おつかれさまでした、お気をつけて。
(番外編)もう2日あったらマデイラ島へ
2週間分のお休みがとれたあなた。もう少し、ポルトガルに滞在できそうですね。滞在を2日延ばして、ポルトガル本土を離れてマディラ島への島旅行はいかがですか?
リスボン、またはポルトの空港からおよそ2時間、「大西洋の真珠」と称される火山島のマディラ島は、真っ青な海原と色鮮やかな花々、大自然が魅力のリゾート地です。夏の平均気温はおよそ20度、冬の平均気温はおよそ15度と年間を通して温暖でカラッとした気持ちのよい気候。ヨーロッパ大陸から手軽に行けるバカンス先としても大人気で、とくにイギリスや北欧地域から多くの観光客が訪れます。
奄美大島と同じくらいの面積のマデイラ島には、豊かな自然がもたらす絶景と、温暖な気候から生まれた島特有のグルメがたくさんあります。2日間の島の旅で、ポルトガルの思い出がさらに特別なものとなるでしょう。
マディラ島の必見スポットは数えきれませんが、手押し荷車「トボガン」に乗って細い坂道をかけるけるのは外せないアトラクション。ほかにも、世界で二番目に高い断崖絶壁の「ジオラン岬」、雲の上の散歩が楽しめる「ピコ・ド・アリエイロ」など自然のパワーに圧倒される絶景は必見です。
滞在の拠点は首都のフンシャルが便利。見慣れない果物選びが楽しい市場や、マデイラ島の名物マデイラワインのワイナリー見学など見どころもいっぱいです。
そして、マデイラ島といえばポルトガルのサッカー選手、クリスティアーノ・ロナウドの出身地。フンシャルにはロナウド美術館やロナウドが経営するホテルもあります。クリスティアーノ・ロナウドファンは注目のスポットですね。
まとめ
ポルトガルの10泊12日のモデルコース、いかがでしたか?大きな町から小さな村まで、ポルトガルの魅力をとことん味わう旅プランのご紹介でした。
ポルトガルは地域ごと、町ごとに個性があってそれぞれ違った魅力にあふれています。ゆっくり、じっくりとポルトガルを旅しながら、あなたのお気に入りの町や景色を見つけてくださいね。
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