町全体がまるで博物館!時代を超えた遺産が共存するエヴォラ歴史地区

古代から中世まで、何世紀もの時代を超えた遺跡が町と同化しているエヴォラ歴史地区。今回は「野外博物館」とも言われる世界遺産の町エヴォラをご紹介します。2000年も前に建てられた神殿から、一風変わった骸骨の礼拝堂まで、城壁内の見どころをチェックしていきましょう!アレンテージョ地方のとっておきグルメ情報もありますよ。

概要と歴史 

リスボンから東におよそ120km、ポルトガル中南部に広がるアレンテージョ地方の中心都市がエヴォラです。

エヴォラの魅力はなんといっても、紀元前からさまざまな民族がこの地を拠点としたことによる町の歴史の濃さにあります。この地域の先住民族であるルシタニア人の建設に始まり、ローマ帝国による征服後には城壁や神殿が建てられ、交易路の中継地として栄えました。その後のイスラームの支配を経て、12世紀のレコンキスタ(国土回復運動)により、この地はポルトガル国王アフォンソ1世の統治下となります。

ポルトガル王国の一都市となったエヴォラは、宗教的行事が多く催され、宗教的建造物も数多く建設されました。15世紀後半からはルネサンスの中心地として多くの芸術家が集い、また大学も設置されています。そんな宗教・学問・芸術の中心的な役割を担ったエヴォラの町中には、今もさまざまな様式の建築物が混在しています。

何世紀にも渡る建築物が今現在も保存されているエヴォラ歴史地区。城壁に囲まれた旧市街一帯が、「エヴォラ歴史地区」として1986年に世界遺産に認定をされました。

基本情報 

まずはエヴォラ歴史地区へのアクセス方法と歴史地区内の移動方法、所要時間の紹介です。この後に紹介する見どころのスポットの基本情報は、それぞれの紹介欄をご覧ください。

アクセス

アクセス難易度:★★☆
 ★☆☆…簡単!ポルトガル観光定番スポット
 ★★☆…やや難。大都市からちょっと足を伸ばして
 ★★★…奥地。電車やバスを乗り継いで

エヴォラへはリスボンを起点として行くのが一般的です。鉄道、バスともに乗り換え不要の直通便があるのでアクセス自体は難しくありませんが、リスボンから往復で3~4時間は見ておきたいこと、鉄道の運行本数が少ないこと、またエヴォラの駅やターミナルから歴史地区がやや距離があることから、日帰りで行く場合は日中をほぼエヴォラ観光にあてることになるでしょう。

エヴォラに行く日は、アレンテージョ地方ののんびりとした平原を車窓から眺めながら、スローな一日を過ごすことにしましょう。より内陸方面へと足を伸ばして、モンサラーシュやマルヴァオンなどのポルトガルを代表する「小さな村」を訪れるのもよいですね。

リスボンからのアクセス

・鉄道:リスボンのオリエンテ(Oriente)駅またはセッテ・リオス(Sete Rios)駅からエヴォラ(Évora)駅までおよそ1時間半(急行列車IC利用・1日4便)

・バス:リスボンのセッテ・リオス(Sete Rios)ターミナルからエヴォラのバスターミナルまでおよそ1時間半~2時間(Rede Expressos社の高速バス利用・1日14便ほど)

料金はともに12€~16€ほど。時間もほとんど変わらないのですが、鉄道は朝に2便、夕方に2便の計4便と本数が限られています。旅程次第では、本数の多いバスを利用したほうが柔軟に行動できるでしょう。

エヴォラ歴史地区の移動手段 

鉄道のエヴォラ駅は、歴史地区の城壁を出た南方にあります。駅から歴史地区内の中心広場であるジラルド広場まではおよそ1.2km。レプブリカ(R. da República)通りをまっすぐ北へ進みましょう。

バスでエヴォラに到着する場合、歴史地区の西に位置するエヴォラのバスターミナルに停車します。サン・セバスティアン(Av. de São Sebastião)通りをまっすぐ東へ進むと、目の前に城壁が見えてきます。城壁の中へ入り、さらに東へ進むとジラルド広場に到着です。バスターミナルからおよそ1kmの道のりです。

エヴォラ市内を走るtrevo社のバスを利用してバスターミナル⇔旧市街を移動する手段もあります。2020年9月時点でイレギュラーな運行状況のため、最新情報は下記公式HPでご確認下さい。
HP:trevo社

観光の所要時間 

エヴォラ歴史地区の観光所要時間(目安):半日~1日

城壁に囲まれたエヴォラ歴史地区は、歩いて回るのにちょうどよいサイズ感。見どころスポットのみを押さえるのであれば半日でも回れます。しかし、城壁内すべてが世界遺産のエヴォラは、何気ない通り自体もひとつの魅力。定番スポットをチェックしたら、ぜひ城壁内の路地散歩も楽しんでみてくださいね。メイン通りから1本外れるだけで、エヴォラに住む人々の和やかな日常を垣間見れる光景に出会えますよ。

エヴォラ歴史地区の見どころ

ここからは、エヴォラ歴史地区の観光でとくに見逃せないスポットをご紹介します。スタート地点は歴史地区のメイン広場「ジラルド広場」。12世紀に、ムーア人の領土であったエヴォラの地を征服した英雄「ジラルド・ジェラルデス」が広場の名前の由来です。

噴水のある開けた広場は、オープンテラスのカフェが建ち並ぶ休憩スポットでもあります。インフォメーションセンターもこの広場にあるので、まずは地図をもらってエヴォラ巡りの計画をたてましょう。

カテドラル

ジラルド広場から10月5日通りをまっすぐ進んだ先に突然現れるカテドラル(エヴォラ大聖堂)。重厚感のある外観は、強固な砦のようにも見えます。

13世紀から14世紀にかけて建築されたこの大聖堂は、ロマネスク様式とゴシック様式が合わさった造りが特徴。内部は思わず見上げてしまう高い天井が広がります。

この聖堂内には日本ともゆかりの深い、あるものがあります。それが、16世紀に天正遣欧使節団が弾いたと伝えられるパイプオルガン。日本を出発して2年半もの歳月をかけてポルトガルに到着、その後イタリアのローマまでの旅路の間に、4人の少年はこのエヴォラの地も訪れました。

大聖堂に入って左手にあるパイプオルガンは、ミサで使用されるなど今でも現役です。遥か昔、未知の世界だったヨーロッパの地を訪れた日本人がこの地でどんな滞在を過ごしたのだろうと思い巡らしながら見て回るのもよいですね。

カテドラルでは、追加料金を払って回廊や塔の見学も可能です。特に塔を登り切った先から眺めるエヴォラの景色は必見。アレンテージョ地方ならではの真っ白な家々とオレンジ色の屋根、アレンテージョ地方のどこまでも続く平原と広い青空を目に収めてくださいね。

カテドラル(Sé de Évora)
住所:Largo do Marquês de Marialva, Évora
営業時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
入場料:2.5€(聖堂+回廊)・3.5€(聖堂+回廊+塔)・4.5€(聖堂+回廊+塔+宝物館)
HP:カテドラル(エヴォラ市役所サイト)

ディアナ神殿

カテドラルの目の前にずしっと建つディアナ神殿は、中世時代から時代をさらに遡った1世紀のローマ帝国時代の遺跡です。別名ローマ神殿とも呼ばれるこの遺跡は、現在は14本の柱とその土台部分が現存しています。

完璧な姿でないとはいえ、およそ2000年前からのエヴォラの長い歴史を感じますね。夜はライトアップもされるので、神秘的な雰囲気も楽しめますよ。

ディアナ神殿(Templo de Diana・Templo Romano)
住所:Largo do Conde de Vila Flor, 7000-863 Évora
営業時間:24時間(夜はライトアップあり)
入場料:無料

サン・フランシスコ教会

カテドラル、ディアナ神殿から少し離れたところにあるサン・フランシスコ教会は、「人骨堂」がある教会としてエヴォラの中でも一風変わったテイストのスポットです。

“Nós ossos que aqui estamos pelos vossos esperamos(私たちは、あなたを待っています)”という文字が記された人骨堂の入口を進んだその先には、壁や柱、天井一面にぎっしりと敷き詰められた人骨が。17世紀に、およそ5000体もの人骨を墓地から掘り起こして造られました。キリスト教の死生観を表すと言われるこの空間。修道士たちの瞑想に使用されてきた礼拝堂ですが、初めて足を踏み込むと少し背筋がひやっとするかもしれません。

サン・フランシスコ教会を出た左手には緑豊かな公園が広がっています。人骨堂で冷えた背筋を、公園散策で温めてくださいね。

サン・フランシスコ教会(Igreja de São Francisco)
住所:Praça 1º de Maio 7000-650 Évora
営業時間:9:00~18:30(夏季)・9:00~17:00(冬季)
休館日:1/1・聖日曜日(イースターサンデー)・12/25
入場料(大人): 5€(人骨堂、博物館含む)
HP:サン・フランシスコ教会

エヴォラ歴史地区の町並み

「野外美術館」とも呼ばれるエヴォラの町は、城壁内側一帯に歴史的建造物や遺跡が点在しています。

例えば、16世紀に建設されたアグア・デ・プラタ水道橋(Aqueduto da Água de Prata)。城壁内の中心部へ水を供給されるために造られたこの水道橋は、城壁を越えた北部に向かってずどんと伸びる、迫力ある姿です。壁の外側は高くそびえる水道橋ですが、城壁の中に入り、中心部へと進むにつれて低くなることで水を城壁内へと供給しています。水道橋のアーチ部分を活用した住居スペースなど、空間を上手に使う歴史地区内の家々もじっくりみると面白いですよ。

ほかにも、教会の内壁一面に広がるアズレージョが美しい「ロイオス教会(Igreja dos Lóios)や、コインブラ大学に次ぐ国内2つ目の大学で、現在も現役のエヴォラ大学( Universidade de Évora)など見どころは尽きません。

【ここに来たらはずせない!】おすすめのお土産・グルメ

アレンテージョ地方は国内随一のコルクの名産地。今やポルトガル土産の定番グッズですが、エヴォラを訪れた際は本場のコルク製品をお土産にするのもよいですね。エヴォラ歴史地区のジラルド広場からカテドラルへと続く10月5日通り(Rua 5 De Outubro)は、お土産ショップが建ち並ぶお買い物ロードです。

また、アレンテージョ地方の料理も独特のキャラクターをもったものが揃います。あさりと豚肉を合わせた「カルネ・デ・ポルコ(Carne de Porco à Alentejana)」や、ニンニクとコリアンダーのパンスープ「アソルダ(Açorda)」、サメのスープ「ソパ・デ・カサォン(Sopa de Cação)」などがその一例。内陸という土地柄、日持ちのする食材をうまく調理した料理が多いのが特徴です。

なかなかポルトガルの大都市でも出会うことのできない料理が多いので、エヴォラに行った際はぜひアレンテージョ料理も味わってくださいね。

スポットマップ 

まとめ

世界遺産エヴォラ歴史地区のご紹介でした。古代ローマ時代の建造物から中世の建造物まで、時代を越えた遺産が共存するエヴォラの町並み。水道橋のアーチをうまく活用した住居など、遺産を大切にしながら生活の中に溶け込ませてゆくエヴォラの人々のテクニックに驚きを感じることでしょう。

ぜひアレンテージョ地方ののんびりした空気とともに、エヴォラの地の長い長い歴史に思いを馳せてくださいね。

※各施設・店舗の情報は2020年9月の情報です。今後変わる可能性がありますので、最新の情報は公式HPなどでご確認ください。

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