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ポルトガルと聞けば、石畳の路地に差し込む柔らかな陽射しや、コバルトブルーの海を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。近年、この“陽だまりの国”では、観光のかたちが静かに、けれど確かに変わりつつあります——キーワードはサステナビリティ。環境をいたわり、文化財を守りながら旅を楽しむ流れが広がっているのです。
1.ポルトガル観光が抱える課題と転換点
太陽が降り注ぐビーチ、数々の世界遺産、そして美食。魅力が揃う一方で、急増した観光客は環境負荷と文化的摩耗をもたらしました。「このままでは大切な風景を次世代に手渡せない」——そんな危機感から、政府と民間が手を携え、持続可能な観光へ舵を切っています。
2. 国を挙げたサステナブル戦略
- EU循環経済戦略&グリーン・ディールに基づき、2030年までに炭素排出ゼロを目標。
- 風力・太陽光など再生可能エネルギーの導入で、環境パフォーマンス指数(EPI)トップ50入り。
- 沿岸湿地やラグーンを保護するナトゥーラ2000ネットワークに参画し、生態系を法的に守っています。
リスボン旧市街のトラムも再エネ由来電力で走る日が来るかもしれませんね。
3. 観光客でも体験できる“エコツアー”
エリア | アクティビティ | サステナブルなポイント |
---|---|---|
ロタ・ヴィセンティーナ | 崖沿いのハイキング | 地元コミュニティが整備・維持し、利用料が還元される仕組み。 |
ダーク・スカイ・アルケバ | 星空観賞 | 光害ゼロを目指す国際認証エリア。星空保護と観光振興を両立。 |
アレンテージョ農園ステイ | オリーブ収穫体験 | 有機農法+フェアトレード。売上の一部を再植林へ。 |
どのツアーも“自然を借りて楽しむ”意識が徹底されています。ガイドさんがゴミ回収バッグを配ってくださる心配りに、思わず背筋が伸びることでしょう。
4. エコフレンドリーな宿選びのコツ
- Green Key/Biosphere Certifiedなど国際認証マークをチェック。
- 寄付先・寄付額を明示する宿は、信頼と透明性の証。
- 連泊割を活用すると、洗濯回数や清掃回数が減り、環境にもお財布にも優しいですよ。
おわりに
サステナブルな旅は「我慢」ではなく「上質な選択」です。美しい街並みを散策しながら、自然と文化を守る一歩を踏み出してみませんか?きっと、旅の満足感がひとしお深くなるはずです。
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