ここ数年、ポルトガルのフォトジェニックスポットとして注目を集めている町アゲダ。今回は、町が色とりどりのカラフルな傘で彩られるアゲダの傘祭りについて、いつ・どこで見られるのか、そして傘のほかにも見逃せない、魅力満載のアゲダの見どころについてお伝えします。 かわいい旅がしたい、インスタ映えするとっておきの写真を撮りたい…そんなあなたにとって、アゲダはぴったりの旅先ですよ。
アゲダの傘祭りって?
「アゲダの傘祭り」は、ポルトガル中部にあるアゲダ(Águeda)の町の通りがカラフルな傘のトンネルで彩られるイベントで、2012年に始まりました。現地では「アンブレラ・スカイプロジェクト(Umbrella Sky Project)」と呼ばれています。
アゲダの傘祭りをプロデュースしたのは「インパクトプラン(Impactplan)」というポルトガルのマーケティング会社です。もともとは夏の強い日差しを避けるために町の人々が考え出したテクニックだった傘のトンネルが、一躍町おこしの起爆剤に。人口1万人強の小さな町へ、傘祭りを見に毎年何万人もの観光客が訪れるようになりました。インパクトプランは、世界各国でも「アンブレラ・スカイプロジェクト」を展開中。アゲダの傘祭りとよく似た光景がほかの国でも見られることも増えています。
ポルトガルの青空にビビッドに映える色とりどりの傘は、写真映えも抜群。今ではポルトガルのフォトジェニックスポットといえばアゲダの傘祭り、とも言われるほどに人気の観光地です。ここ数年はインスタ映えスポットとしても多くの人の目に留まるようになりました。特に日本人の間で人気が高く、小さな町なのにあちらにもこちらにも日本人、という現象も起きています。
いつ見られるの?
アゲダの傘祭りは、毎年7月から9月にかけての期間限定のイベントです。7月に行われるアゲダの芸術祭「AgitÁgueda」の一環として行われています。芸術祭は7月いっぱいですが、傘祭りは9月まで続きます。
また、2017年からはクリスマスに合わせて傘を使った飾りつけも行われるようになりました。夏のカラフルな傘のトンネルとは違い、冬は通り一面が白い傘で覆われ、夜には青い光のイルミネーションで包まれます。
どこで見られるの?
アゲダの傘祭りのメイン会場は、町の中心部に位置する「ルイス・デ・カモエンス通り(Rua Luís de Camões)」です。傘祭りのメインイメージでもあるカラフルな傘が、150mほどの通りを覆います。
この通りのほかにも、デザインの違う傘で覆われる通りがあったり、頭上にたくさんの風船が漂う通りがあったりと、見どころはたくさん。通りのベンチやポスト、お土産屋の店先にもカラフルなアートが施されており、通り全体がアート空間になります。
傘祭り期間中は、見どころがわかりやすくまとめられた地図がイベント公式サイトにアップされるので、チェックしてからアゲダ散策を始めることをおすすめします。
参考:AgitÁgueda公式サイト
傘祭りの楽しみ方
何枚も何枚も写真を撮ってしまうこと必至のアゲダの傘祭り。頭上一面に広がる傘のトンネルが写真映え抜群なのはもちろん、通りに映った影、建物の窓ガラスや車のフロントガラスに映った傘、そして風に当たって傘がふわふわ揺れる様子も、またかわいい。自分だけのワンシーンを切り取って、旅の思い出の1枚を残したいですね。
アゲダの傘祭りを100%楽しむのであれば、やはり晴れの日を狙って行くのが一番です。太陽の光が傘から透ける様子や、傘の間から通りに差しこむ光は、傘のトンネルをよりいっそう色鮮やかに演出してくれます。
太陽が傾いてしまうと通り自体もやや暗くなってしまうので、カラフルなアゲダの魅力が半減してしまうことも。お昼前後の太陽が高い時間帯に行けば傘と青空のコントラストがより鮮明に、壁や地面に映りこむ影も楽しめます。
アゲダに行くのは晴れた日・お昼ごろがおすすめです!
強烈な日差しが特徴のポルトガルの夏ですが、湿度が低いので傘の下はそれほど暑さを感じません。
傘で飾り付けられた通りには、アゲダの思い出の品が買えるお土産もあります。デザインはもちろん「傘」モチーフのものばかり。定番のマグネットや焼き菓子から、手持ち不要なヘルメットタイプの傘といった変わり種までいろいろあります。
アゲダは芸術の町
アゲダのアートフェスティバル「AgitÁgueda」もぜひチェックしておきましょう。芸術の町アゲダでは、傘のほかにもさまざまな飾りつけやストリートアートで町中が彩られます。アートは町の中に点在しているので、町をふらふらと散策しているだけでもいろいろなスポットに出会えますよ。
日本人のアゲダ人気を意識しての企画だったのか、2019年のAgitÁguedaは「日本の文化」がテーマになりました。折り鶴の飾りつけや、招き猫などの日本風のストリートアートがアゲダの芸術祭を盛り上げたようです。
また、中心部から少し離れたところには、廃材を再利用したアートで有名なポルトガル人アーティストBordalo IIの作品もあります。
芸術祭のメインイベントは、「ラルゴ・プリメイロ・デ・マイオ庭園(Jardim do Largo 1º de Maio)」で週末に開催されるライブイベントです。会場には屋台もたくさん出るので、音楽にグルメに大盛り上がりの1日が過ごせることでしょう。もしも7月下旬ごろにアゲダに訪れる機会があれば、このビッグイベントも要チェックですよ。
アゲダのお祭りは、2020年は芸術祭・傘祭りともに中止、2021年は傘祭りのみ縮小して実施予定です。AgitÁguedaの公式YouTubeチャンネルでは、お祭り期間中のアゲダを歩いている気分を少しだけ味わえる動画が何本かアップされています。本格開催できるその日まで、動画を見ながらアゲダへの期待を膨らますのもいいですね。
アゲダまでの行き方
アゲダに行くためには、ポルトガル中部の町アヴェイロを経由する必要があります。まずはポルト、またはリスボンからアヴェイロまでの行き方をご紹介します。
ポルトからのアクセス
・鉄道:ポルトのサン・ベント(São Bento)駅から都市近郊線Urbanoでアヴェイロ(Aveiro)駅までおよそ1時間30分。
またはカンパニャン(Campanhã)駅から高速列車Alfa Pendularあるいは特急列車Intercidadesでアヴェイロ(Aveiro)駅までおよそ1時間。
リスボンからのアクセス
・鉄道:リスボンのオリエンテ(Oriente)駅から高速列車Alfa Pendularでアヴェイロ(Aveiro)駅までおよそ2時間。
・バス:リスボンのセッテ・リオス(Sete Rios)ターミナルからアヴェイロまで3時間~4時間(Rede Expressos社の高速バス利用)
アヴェイロからはローカルな雰囲気満載の普通列車でアゲダまで向かいます。本数は限られており、アヴェイロまでの交通機関との接続があまり良くないことも多いので、乗り換えの時間や、空いた時間の活用法などは事前にプランニングしておくことをおすすめします。
アヴェイロからアゲダまで
・鉄道:アヴェイロ駅から普通列車Regionalでアゲダ駅までおよそ30分(11駅目)。1日10本ほど。
リスボンやポルトからアヴェイロまでの移動で利用した電車からは一変、アゲダまでの電車は古い車両で液晶表示やアナウンスもなく、降り過ごしが少し心配。アヴェイロからの停車駅数を数えておく、スマホの地図アプリで現在地を確認する、などといった工夫をしておくと安心です。
チケットは行きの場合は出発駅の窓口でアゲダまでの往復または片道を購入します。帰りのチケットを購入する場合は、社内で車掌さんから直接購入しましょう。
アゲダ中心部への行き方
無人駅のアゲダ駅から、傘祭りのメイン通りであるルイス・デ・カモエンス通りまでは歩いて10~15分ほどです。駅を出たら、ドゥトール・ジョアキン・デ・メーロ通り(Av. Dr. Joaquim de Melo)を南方面へ進みましょう。
そのまままっすぐ進むと傘祭りのメイン会場へ、また東方面のドゥトール・アドルフォ・ポルテラ通り(R. Dr. Adolfo Portela)・ドゥトール・エウジェニオ・リベイロ通り(Av. Dr. Eugénio Ribeiro)でも、例年傘祭りに合わせて風船や短冊など、さまざまなものが通りの上空を彩ります。
滞在所要時間
アゲダの町自体はとても小さく、写真も撮りながら通りをゆっくり巡ってお茶休憩などをしても2時間~半日ほどあれば十分満喫できます。アゲダまでの経由地であるアヴェイロでの乗り換え時間に余裕を持たせて、アヴェイロ観光をセットにするのも定番プランです。
アゲダのスポットマップ
アゲダで食べたい!「レイタォン・アサード」
アゲダで食べたいポルトガル料理のひとつが「レイタォン・アサード(Leitão assado)」という子豚の丸焼き料理です。この料理の本場はアゲダから20kmほど南に行ったところにあるMealhada(メアリャーダ)という町ですが、アゲダやアヴェイロなどの近接する町でもよく目にするメニューです。
ポテチやオレンジのスライスが添えられて出てくるレイタォン・アサードは、皮はパリッと、ジューシーで旨味いっぱい。ポルトガル料理のなかでも特に一押しの一品なので、ぜひ味わってみてくださいね。
まとめ
夏のあいだ町中が色とりどりの傘やストリートアートで彩られるアゲダは、ポルトガルでもっともカラフルな町とも言えるのではないでしょうか。電車やバスを乗り継いで行く小さな町ですが、行く価値のある光景が待っています。思い出にも、写真にも色鮮やかに残るアゲダの傘祭り、おすすめです!
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